横長フォルダブル「Galaxy Z Fold8」が“カワイイ”と評判? サムスン電子に聞く手応えと価格高騰のリアル(2/2 ページ)
サムスン電子は、横長画面のFold8を追加したフォルダブル3機種を発売し、初速販売を前作比1.2倍に伸ばした。実店舗でのタッチポイントを2.6倍に増やす一方、メモリ高騰などで価格上昇が続く。同社は残価設定ローンや分割払いなど、購入障壁を下げる施策を重視しつつ、さらなる普及拡大を目指している。
今の価格が万全なわけではない 若年層への訴求が課題
―― フォルダブルスマホはやはり高く、値上げもしていますが、どのようなプロセスで今回の価格が決まったのでしょうか。
大橋氏 プロセスについては紆余(うよ)曲折あるのが実情です。メーカーなので、コストの積み上げですが、一定のマージンは取っています。ただ、それだと高すぎて売れないということもあるので、各国の事情や市場の状況を考慮して、検討した上で価格を決定しています。昨今はメモリが高騰していますし、日本では円安もあります。どういうふうにすれば手に取りやすくなるのかは常に意識しながら、発表の直前まで検討しています。
今の価格が万全かというとそうではなく、昔より高くなってしまっているのを、これでよしと思っているわけではありません。だからといって、コスト割れで販売するのも難しい。ですから、われわれのチャネルでは分割払いを手数料なしで提供しています。これは原宿や大阪(の実店舗)でもできています。キャリアも(端末の残価を免除するプログラムを前提にした)実質価格をお見せしているので、そういったものを一緒に訴求して、利用価値と価格に納得感を出せるようにしていきたいと考えています。
―― 若年層には価格的に高いと思いますが、Galaxy Z Fold8効果で振り向いてもらえるようになりましたか。
小林氏 やはり話題になっているので、手応えを感じています。次はどのようにお求めやすい制度を作り、それを訴求していくかです。次のコミュニケーションは、そこを重点的にやっていきます。
キャリアがアンバサダーを導入することで“正しい体験”を訴求
―― 4キャリアで販売するようになり、関係性は変わりましたか。アンバサダー(製品に精通した販売員)を動員しているキャリアもあります。
小林氏 まずアンバサダーのお話をすると、体験するときには正しい体験をしてほしい。正しい体験とは、メーカー側が期待する体験です。極論だと、原宿のような直営店をたくさん作ってコミュニケーションできればいいのですが、それだとビジネス的には立ちいきません。そのために作ったのが、アンバサダー制度です。
これは、各キャリアからも評判がいい。メーカーの製品がお客さまに正しく伝わるには、販売代理店のスタッフに熱意を持って売っていただかなければなりません。お客さまの立場からしても、安心して買うことができます。スタッフの皆さんの最後の一押しで、「私はアンバサダーなので、私から買ってもらえれば絶対に安心です」というところまできていますが、これは、あるべき方向性だと思っています。
メーカーは、新しい製品を出したり、新しい機能を紹介したりする役割を果たしていますが、お客さまの興味がないと、関係ないと思われる恐れがあります。認知が上がる半面、理解やその後の行動につながりづらい。採用いただいたキャリアからの一押しはこれだ、というメッセージを出していただくことは、非常に重要なポイントだと思います。
大橋氏 キャリアは、チャネルマネジメントの観点では非常に重要なパートナーです。一方で、キャリアでは買わない方も一定数います。そのために、網羅的に広げています。キャリアとの関係を強化したというより、お客さまとの関係を強化するために販路を広げています。
取材を終えて:ユーザーが手に取りやすくする工夫にも期待
3機種展開になり、これまでになかった横長ディスプレイのGalaxy Z Fold8が加わったことで、フォルダブルユーザーがにわかに拡大している様子がうかがえた。SNSでの反響も大きく、これまでのGalaxy Z Foldに反応していなかったユーザーにもリーチできているようだ。その話題性が、初速の速さに結びついている点も成功といえる。
ただ、ハイエンドモデルも含め、価格が上がっているのも事実。サムスンはその中でも上昇幅を抑えている1社だが、買いづらくなっていることに変わりはない。より回数の多い分割払いの拡充や残価設定型ローンなど、ユーザーが手に取りやすくなる工夫にも期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か
サムスン電子は新製品発表イベント「Galaxy Unpacked」でフォルダブルスマホの最新ラインアップを発表した。標準モデル「Galaxy Z Fold8」は開くと4:3の横長画面になり、AI機能やUIの最適化が図られている。背景には、AIの浸透に伴うデバイス多様化に加え、折りたたみiPhoneの登場を見据えた対抗策がありそうだ。
パスポート型の折りたたみ「Galaxy Z Fold8」を速攻チェック 使い方を変える形状だが“なくなった機能”も
サムスン電子が発表した新たな折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8」は、画面比率が大きく変わった。従来よりも横長になっており、閉じたときの縦横比率は16:10、開くと3:4の横長になる。コンテンツ視聴時の作法が変わるが、置いたまま使用する「フレックスモード」には非対応となった。
201gの軽量横折りスマホ「Galaxy Z Fold8」日本上陸 “折り目”と新たな画面比率を旧Fold7と実機比較
サムスン電子ジャパンは、コンテンツ視聴に特化した横折りスマホ「Galaxy Z Fold8」を8月7日に発売する。チタン素材による独自構造で高い耐久性を備えつつ、横折り機として世界最軽量クラスの約201gを実現した。アプリ操作を代行するAI機能や、特定の人物を自動で追従し動画を切り出す推し活向け撮影機能を搭載する。
Galaxyの新折りたたみが4キャリアそろい踏み 各社が語る「価格」「ネットワーク」「サポート」の差別化戦略
Galaxy Z8シリーズが全4キャリアから同時発売され、全社での取り扱いが実現した。各社は端末価格や通信ネットワーク品質、専任スタッフの育成で独自性を打ち出す。修理体制の拡充など購入後のサポート力強化でも差別化を図る。
ソフトバンクの「Galaxy Z Fold8/Z Flip8」は2年7万円台から Ultraは最大4万5000ポイント還元のチャンスも
ソフトバンクが、サムスン電子の最新折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8 Ultra」「Galaxy Z Fold8」「Galaxy Z Flip7」を8月7日に発売する。新トクするサポート+の対象で、2年後の返却でお得に利用できる。Galaxy Z Fold8とGalaxy Z Flip8はMNPだと2年7万円台に抑えられる。

