「Apple参入は絶好の機会」OPPO、モトローラ、サムスンが明かすフォルダブル戦略:IIJmio meeting37(1/3 ページ)
IIJmio meeting37で端末メーカー3社によるトークセッションが開催された。フォルダブルスマホの活用法や開発の苦労点、価格やApple参入への見解が語られた。各社はAIや画面分割の活用を掲げつつ、折りたたみの未来像を共有した。
MVNOサービスのIIJmioを展開するインターネットイニシアティブ(IIJ)は9月5日、ファンミーティング「IIJmio meeting37」を開催。IIJmioの近況や「すみっコぐらし」のIIJmioアンバサダー就任式、法人サービスの取り組みなどについてのトークセッションが行われた。
また、イベント後半では、「フォルダブルスマートフォン」をテーマに、オウガ・ジャパン(OPPO)、モトローラ・モビリティ・ジャパン、サムスン電子ジャパンの3社が登壇するトークセッションも行われた。3社の折りたたみスマートフォンは、IIJmioでも取り扱っている。ITmedia Mobile編集長の田中聡が進行役を務め、自身の使い方から開発の苦労、価格、そしてうわさされるAppleの参入まで、メーカー同士が同じ壇上で語る機会は多くない話題を掘り下げた。
本記事では、この端末メーカーによるトークセッションの内容をお届けする。
OPPO、モトローラ、サムスンの最新フォルダブルを振り返る
トークセッションに先立ち、各社は最新の折りたたみモデルを紹介した。OPPOは4月に発売した日本初投入の横開きモデル「Find N6」を、モトローラは8月に発売した同社初の横開きモデル「razr fold」を、サムスンは同じく8月に発売した「Galaxy Z Fold8 Ultra」「Galaxy Z Fold8」「Galaxy Z Flip8」の3モデルを、それぞれ取り上げた。
OPPOは「世界一フラット」をうたう折り目の目立たないディスプレイとハッセルブラッド協業のカメラ、モトローラはDXOMARKで折りたたみ1位のカメラと耐久性、そしてIIJmio限定で10万円引きの19万9800円という価格、サムスンはGalaxy史上最薄のFold8 Ultraと視聴向けの新しい画面比率を採用したFold8を、それぞれの売りとして挙げていた。
- →「OPPO Find N6」速攻レビュー 折り目は本当にない? AIペンの使い心地からカメラ画質まで徹底検証
- →201gの軽量横折りスマホ「Galaxy Z Fold8」日本上陸 “折り目”と新たな画面比率を旧Fold7と実機比較
- →モトローラ初の横折りフォルダブルスマホ「razr fold」が日本上陸 おサイフケータイ対応で29万9800円
「推し活」「音楽」「子ども」 メーカー担当者はどう使っているのか
トークセッションの最初の質問は、登壇者自身の使い方だ。折りたたみは画面が大きい分できることは広がるが、一般ユーザーからは「どう使えばいいのか」が見えにくい。そこで各社担当に、自分なりの活用法を聞いた。
OPPOの丹下紘彰氏はビジネス用途が中心で、画面を分割し、片方でSMS、もう片方でOutlookを開いてメッセージを読みながら予定を入れていくという。もう1つは全画面でのメモだ。「Mind Space」というAI機能を使うと、スクリーンショットを取ったものを文字起こしして記憶し、走り書きした内容をそのままスケジューラーに入れられる。
モトローラの伊藤正史氏は「完全に趣味の話」と前置きし、フリップ型については推し活での用途を挙げた。閉じた状態でアウトディスプレイに被写体を映しながら撮影すると、「推しから見つけてもらえて、レスがもらえる」。オタクにとっては大事な機能だと語った。横開きのfoldでは、自身の音楽活動で活躍しているという。YouTubeを見ながらコードを取り、画面を分割してYouTubeと手書き入力、あるいはYouTubeと楽譜を並べて練習するといった使い方だ。
サムスンの久慈恭平氏はFold8を使用。動画や漫画は横に開き、ブラウザやショッピングは縦に開き、移動時は閉じて持つ。「何をしているか、どんな環境か」に応じて最適な形に変えられるのが魅力とのこと。デュアルレコーディングでカバー画面に被写体を映す機能は、子どもにカメラ目線をもらうために使っているという。
加えて、純正カスタマイズアプリ「Good Lock」でアイコンの大きさや配置を変えたり、2本指から4本指のタップ、長押し、スワイプ、ピンチイン/アウトといったマルチフィンガージェスチャーによく使う機能を割り当てたりと、カスタマイズ自体を楽しんでいるという。
開発で苦労したのは「薄さ」と「折り目」
続いての質問は、最新モデルの開発で特に苦労した点だ。3社の答えは、いずれも「薄さ」と「折り目」に行き着いた。
サムスンの久慈氏は、開発は本社のため本社開発チームの回答を基にしたものと断った上で、Galaxy Z Fold8で最も苦労したのはディスプレイに組み込まれたフレックスチタニウムだったと話す。課題は薄さ、軽さ、耐久性、バッテリーの向上を全て両立すること。ただ、薄くすればするほどスペースの確保は難しくなり、放熱や耐久性など製品全体に影響が出てしまう。それらを解決する技術を探し求めた結果チタンにたどり着いたが、「チタンにたどり着いた後が一番難しかった」とのこと。チタンをどう極薄に加工し、量産に向けて技術を安定させるかが最大の壁だったという。
折り目の低減は毎年進化を重ねてきたが、フレックスチタニウムは折り目だけを狙ったものではない。薄さ、軽さ、耐久性のいずれも捨てずに高みを目指した結果であり、今回は特に総合的に力を入れたとのことだ。
OPPOの丹下氏はFind N6について、薄さと折り目のなさの2点に最も力を入れたと語る。折り目は2段構えで対策している。まず、ヒンジ内部の構造的な凹凸を3D液体プリントで埋めて表に出さないようにする。その上で、自己修復するフレックスガラスによって長く開閉しても凹凸が出ないようにした。
薄さについては、8.9mmという折りたたみ時の厚さに6000mAhのバッテリーを収めるため、シリコンカーボン系のバッテリーを両面に配置しているという。
モトローラの伊藤氏は、razr foldの折り目対策として、razrのフリップ時代から採用している「しずく型ヒンジ」を挙げた。折り曲げたときにディスプレイが折れるのではなく、たわむような形で収納されるため、長く使っても折り目がつきにくい。foldではさらにメインディスプレイの下にチタンプレートを入れて折りたたんだ際の応力を全体に分散させ、日本製の非常に薄いガラスを採用した。フリップで培ったノウハウをfoldに展開した形だ。
伊藤氏はこれに加えて、日本側ならではの苦労としておサイフケータイの搭載を挙げた。メイン端末として使ってもらう以上は必須と判断したが、FeliCa事業者の試験には時間がかかる。「Appleも来るし、サムスンも来ると分かっていたので、それより先に出さねばならない」と、事業者側の協力も得て試験を前倒ししたとのことだ。横開きはアスペクト比が変わるため、事業者によっては表示の合わせ込みが必要になり、その調整も日本側で行ったという。
一方でFind N6はおサイフケータイに対応していない。この点に関してOPPOの丹下氏は、日本に初めて横開きを持ってくるにあたり台数を少なめに抑えていることから、そこに対する開発を差し込めなかったのが「正直なところ」だと答えた。普及が進んで台数が見込めるようになれば対応するのかという問いには「もちろんです」と即答し、「フォルダブルのスペック表を自分で作っても、そこだけ×を付けるしかないのが切ない」と本音も漏らしていた。
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