“折りたたみiPhone”に期待したいこと 長年「Galaxy Z Fold」を愛用する人として
長年Galaxy Z Foldを愛用するユーザーが、次世代の折りたたみiPhoneへの期待と課題を整理した。折りたたみ端末は高い利便性を持つ一方、防塵(じん)性能や画面保護フィルムの交換体制に課題が残る。ソフトウェアの最適化や2000ドルを超える高価格帯への対策も今後の普及に向けた重要事項だ。
いよいよ、待ちに待った「折りたたみiPhone」が登場するという話題が現実味を帯びてきた。
そもそも折りたたみスマートフォンとは、閉じた状態では一般的なスマートフォンとほとんど変わらない感覚で操作でき、開けば小型タブレットほどの大きなディスプレイで動画を視聴したりマルチタスクをこなしたりできるのが最大の利点だ。筆者はその圧倒的な利便性に一瞬でほれ込んでしまい、「Galaxy Z Fold3」以降、毎年新しいGalaxy Z Foldシリーズを買い続けてきた。そこで今回、長年愛用してきた一人のユーザーとして、次世代の折りたたみiPhoneに期待することを整理してみたい。
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「Galaxy Z Fold3」から折りたたみの世界へ 理由はやはり耐久性
先に伝えた通り、筆者は初代から毎度買い替えている訳ではない。事実上、Galaxy Z Foldシリーズの3世代目に相当するGalaxy Z Fold3を購入し、初めて折りたたみスマートフォンの世界に飛び込んだ。初代から即座に手にしなかった最も大きな理由は、耐久性、特に防水性能の有無にあった。
Galaxy Z Fold3は2021年発表当時、折りたたみスマートフォンとして世界で初めて防水(IPX8)に対応したモデルとして売り出された。最大約1.5mの深さで30分間の水没に耐えられる、JIS規格(JIS C 0920)のIPX8相当の保護等級が備わったことで、「これなら日常で安心して使える」と確信し、購入に踏み切ったのだ。十分な保護性能ではないが、それでも高価な物を買ったのに、防水性能について全く触れられていない初代や2世代目に手を出すのは嫌だった。
しかし、ハードウェアの耐久性能に関する懸念は防水だけにとどまらない。長年使い続けていてもいまだに気になっているのが防塵(じん)性能だ。
デバイスの防水性能および防塵の性能は恒久的なものではなく、通常使用によるダメージや経年劣化によって性能が低下する可能性がある点は、一般的なスマートフォンと同じだ。ただ、折りたたみスマートフォンにおいて特に細心の注意を払わなければならないのが、ヒンジ部分へのチリの混入だ。折りたためる構造である以上、どうしても隙間を完全に排除してガチガチに保護されたボディーを実現するのは難しいだろう。
しかし、毎日ハードに使うからこそ、あらゆる利用シーンにおいて安心して使えるよう、さらなる耐久性能の向上を望みたい。実際、過去にGalaxy Z Flip4を使用していた際、ヒンジ内部に異物が混入したことが原因で画面が開けなくなり、非常に困った場面に遭遇した。Flip4はFoldシリーズと比べてボディーサイズもディスプレイサイズも小さく、外側のカバーディスプレイで操作できる範囲が限られていたため、開けない状態では本当に苦労させられた。
余談だが、折りたたみスマートフォンとして初めてIP68等級の防塵・防水に対応したのは「Google Pixel 10 Pro Fold」で、これはGalaxy Z Foldシリーズの競合製品の1つだ。Googleが直接デザインをしているだけあって、こちらも完成度は高い。ただ、公式に「どんな砂やチリにも強い」などといううたい文句ではないため、Galaxy Z Foldシリーズと同様に万全の注意を払って扱わないといけない。
「Google Pixel 10 Pro Fold」。Pixelの語尾にFoldと付くシリーズとしては3世代目に相当する。バッテリー容量を増やし、30時間以上の駆動時間を誇る他、ワイヤレス充電もQi2に対応した
慎重な扱いを要するディスプレイと「保護フィルム」の課題
ディスプレイ全体の耐久性についても同様の課題を感じる。ヒンジや画面の素材・構造は世代を重ねるごとに改良されているものの、慎重に扱わなければ故障につながるリスクは拭えない。
特に開いた状態で使用するインナーディスプレイには、画面保護などの目的で柔らかいフィルムが最初から貼り付けられた状態で出荷されているが、ここには傷や気泡がつきやすい。この保護フィルムをユーザー自身で無理に剥がす行為はメーカーから禁じられており、Galaxyの場合はメーカー直営店やキャリア(NTTドコモ)ショップなどへ持ち込んで交換してもらう必要がある。しかし、対応する対象機種が限られていたり、予約なしの駆け込み入店では対応を断られたり、そもそもそうしたリペア拠点自体が都市部に限られていたりと、「いつでも無条件に誰でもどうぞ」とすぐ対応してもらえるほど気軽なサービス体制だとは言い難い面がある。
後発のAppleがApple Storeやキャリアショップを活用し、フィルムの交換をしやすくするのか、あるいはそもそも剥がれにくい仕様にアップグレードしてくるのかは不明だが、何らかの形で課題を解決してもらいたい。
Galaxyの場合、インナーディスプレイのフィルムの交換は、専門知識を持ったスタッフに依頼する形となる。スタッフに剥がしてもらった古いフィルム(写真=左)と、何も貼り付けられていない状態のGalaxy Z Fold4(写真=右)
ソフトウェア面の使い勝手も改善が必要
もう1つ、どうしても改善が必要なのがソフトウェア面の使い勝手だ。
OSの進化によって画面分割やマルチタスクなどの使い勝手は大幅に向上してきたが、Webサイトやアプリによっては、いまだに折りたたみスマートフォンに最適化されていないものが数多く存在する。一般的なスマートフォンで起動すれば問題なく表示・操作できるのに、折りたたみスマートフォンで起動すると表示が崩れたり、起動不可になったり、挙動が不安定になったりするアプリがあるのだ。
例えば、Webからアクセスするサイゼリヤの注文画面は折りたたみスマートフォンに表示が最適化されていないし、一部大手鉄道会社のアプリは挙動が非常に不安定になり、頻繁に強制終了してしまうことがある。こうした細やかなソフトウェア側の改善がこのカテゴリーにおいてはまだまだ必要であり、ハード・ソフトの両面で完全に成熟したデバイスだとはまだ言い切れない。
とある報道によれば、Appleは折りたたみiPhoneの開発に10年もの歳月をかけてきたとされている。
それほどの長期間を費やしてきたのであれば、なおさら先行する他社製品よりもはるかに完成度の高いプロダクトを市場に投入すべきだし、そうでなければユーザーが購入する意義はほとんどないだろう。Appleはハードウェアだけでなく、OS(iOS)設計も自社で完全にコントロールできる強みを持っている。だからこそ、折りたたみiPhoneでなければ実現できない体験をiOSレベルで明確に提示し、競合他社との圧倒的な差別化を図ってもらいたいところだ。
20万円を超える高価格帯という壁 「買いやすさ」への期待あり
最後に、価格についても避けては通れない議論だ。「折りたたみスマートフォンは高価だ」という声はSNS等でも度々見かけられるし、実際その通りで決して安くはない。
近年はメモリ不足や円安などの影響を受け、特に値上がりの傾向が顕著だ。大半の機種は、最も少ない構成であっても20万円(海外では2000ドル前後)を軽々と超過することが当たり前になっている。端末返却などを条件とするキャリアの割引プログラムを活用して実質的な負担額を抑える選択肢もあるが、それでも安い買い物だと感じることは到底ない。
そうした中、Appleは米国においてKlarnaと提携したハードウェアリースプログラム「Apple Upgrade」を導入した。これは、月額料金(iPhoneの場合は月額17.99ドル〜)で最新デバイスを利用でき、契約終了時には新機種への買い替えや返却、一括購入などを柔軟に選択できる仕組みだ。古い端末の下取り(Apple Trade In)を併用することで毎月の支払いをさらに抑えることも可能となっている。折りたたみiPhoneが2000ドル(約30万〜40万円台)を超える超高価格帯で登場すると予想される中、こうしたApple Upgradeのような月額リースプログラムや下取り・分割払いの仕組みが、高額な折りたたみ端末を手に入れやすくする大きな追い風になると見られている。
Appleは2026年7月より、米国のApple Store等でKlarnaと提携したリースプログラム「Apple Upgrade」の提供を開始した。 月額17.99ドル〜で最新機器を利用でき、下取り併用や契約終了後の買い替え・返却なども柔軟に選択できる
価格の面においても、Appleが世界各地でどのような買いやすい仕組みや価値を提案してくれるのか、今後の展開から目が離せない。
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