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「iPhone Duo」登場の裏で「iPhone 18」が発表されなかった理由 変わりゆくラインアップ戦略を読み解く石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

Appleは、初のフォルダブルスマホ「iPhone Duo」やカメラ機能を強化した「iPhone 18 Pro」などを発表した。例年と異なり、ノーマルモデルやiPhone Airの後継機は不在で、旧モデルが継続販売される異例の展開となった。背景にはメモリ等の調達難があり、時期の分散や値上げという形でラインアップに大きな影響を与えている。

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見え隠れするメモリの影響、日本では2段階値上げに

 売れ筋ということはそれだけ製造のためのデバイスも必要になる。ここ最近、特に調達が難しくなっているのが、メモリやストレージなどの半導体だ。ユーザー側には、値上がりという形でその影響が波及しているが、メーカーにとって値上がりはもちろん、必要な量のメモリを確保するのも困難な状況になっている。出ていないので気付かれないが、中にはお蔵入りになった製品もあるはずだ。

 ラインアップの投入時期を分散させるのは、この影響を受けた可能性も高い。上記のように、ノーマルモデルは特に売れ行きがいいため、その分、メモリやストレージの数量も必要になる。品薄になってしまうぐらいであれば、もう1つの人気モデルであるiPhone 18 Pro、18 Pro Maxとは間隔を空けたいと考えても不思議ではない。

 また、日本では、ベーシックで価格を抑えたハイエンドモデルが1月から3月の春商戦に売れやすいという特徴もある。この時期は携帯電話の新規契約が最も増えるといわれている。日本の春商戦はやや特殊な例だが、Appleの地域別売り上げでは7%前後を占めており、決算のセグメントとしても地域ではなく、1カ国単独で数値が開示されているだけに一定の考慮はするはずだ。欧米ではイースター、中華圏では春節(旧正月)もあり、この時期に幅広い層に訴求しやすいベーシックモデルと廉価モデルをまとめて投入するのは合理性が高い。

iPhone Duo
中国と日本は、アジアとは別に単独の国として情報を開示している。こうした影響を考慮した可能性もありそうだ

 ただ、iPhone Airがどうなるかは未知数だ。スマホとして見れば決して小さな出荷台数ではないものの、そぎ落とした仕様が裏目に出て、世界的な販売不振が報じられている。特に日本では、専用SKUで大量に出荷したこともあり、たびたびセールにかかっているほか、キャリアでも投げ売り価格がつけられている。

 弱点だったシングルカメラからデュアルカメラに変更し、スペック的なかぶりが多くなるノーマルモデルと統合するとの見方もあるが、現時点では明確なアナウンスは出ていない。iPhone Airは、その薄さゆえにバッテリー容量を増やしづらく、ノーマルモデルの代替にはなりづらいようにも思えるが、シリコンカーボンバッテリーなどでスペックを底上げできれば、ありえない話でもない。iPhone Duoの登場で、増えすぎたラインアップの再編が進む可能性もある。

iPhone Air
高い注目を集めたiPhone Airだったが、販売は振るっていないようだ

 メモリの影響は、ラインアップだけでなく、発表された端末の価格にも出ている。iPhone 17シリーズは7月に日本での値上げに踏み切ったものの、これは為替調整の側面が強く、米国などでの価格は据え置かれていた。これに対し、iPhone 18 ProやPro Maxは、米国での価格も1199ドルからと、1099ドルだった前モデルから100ドル値上げされている。

 日本でのiPhone 18 Proは、7月に実施された値上げ後のiPhone 17 Proよりもう一段高い、21万9800円からに設定された。円安とメモリ高騰のダブルパンチにより、iPhone 17 Pro発売時の17万9800円から4万円も高くなってしまった格好だ。

iPhone 18 Pro
米国ではiPhone 18 Proが1199ドルからと、2025年のiPhone 17 Proより100ドル上がっている。メモリやストレージの影響と見て間違いない

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