News | 2003年3月17日 11:21 AM 更新 |
Banias、Pentium M、そしてCentrinoとその名称は変わってきたものの、その中身については、だいぶ前から詳細に紹介されてきた。「なにを今さらCentrino」と思う読者も少なからずいただろう。
そこで、Centrinoラウンチイベント関連記事は、いままでメディアに登場することがなかった国内ノートPC開発当事者へのインタビューで構成し、実際にCentrino、もしくはPentium MをノートPCに組み込んできた人たちの生の声で、インテルの新しいソリューションを評価しようと試みた。
ノートPCの開発現場は声をそろえて、「Pentium MとIntel 855の能力はモバイルPCにとって非常に優れている」(東芝)と評価している。取材で直接開発者たちの声を耳にしてきたが、決して外交辞令ではなく、彼らはパフォーマンスと省電力化が両立できたことを素直に喜んでいる。ソニーで聞いた「ソニーとして何ができるのか。それを考えるのが一番大変だった」という言葉が如実に表現している。
一方で、Centrinoが見切り発車だったと感じていた開発者が多かったのも事実だ。IEEE 802.11bのみの対応、そしてIntel 855GMを待ったおかげで製品投入が間に合わない。この見極めで「悩みに悩んだ」(ソニー)という意見はいたるところで聞かされた。「IEEE 802.11gの正式策定後に早急に対応する」というラウンチイベントにおけるインテルの発言を「悩みに悩んだ」開発者は複雑な思いで聞いただろう。
CPUとチップセットと無線LANの実装。この組み合わせで発揮される「総合力」がCentrinoのメリットとインテルは述べているが、いったん実装したら換装ができないノートPCは、たった1つのウィークポイントが総合力の足かせにもなってしまうのだ。
インテルのインタビューよりアクセス数の多かったのが、[WSJ]「Centrinoはクズ」――AMDのCEOが痛烈批判というのも皮肉だったが、日本AMDの吉沢俊介取締役がCentrinoラウンチ当日の強行した「モバイルAthlon XP-M」発表会で述べた「一社独占のソリューションがCentrinoの弱点」という言葉がひょっとすると現実になるのかもしれない。
[長浜和也, ITmedia]
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.