News 2003年3月17日 11:21 AM 更新

News Weekly Access Top10(2003年3月9日−2003年3月15日)
Centrinoの弱点は?

先週のアクセス第1位は乱造されるDVDメディアの危険性について述べた「粗悪な記録型DVDメディアが、なぜ“怖い”のか」。それとともに、3月12日に発表されたCentrino関連記事も6項目がTop10にランクされた

News Weekly Top10 3月9日〜3月15日
1位 粗悪な記録型DVDメディアが、なぜ“怖い”のか
2位 “見果てぬ夢”で終わるか、日本のVOD
3位 ソニー、新「バイオU」と新シリーズ「バイオノートZ」発表
4位 特集:Centrino時代――モバイルの何が変わる?
5位 Centrino搭載ノート、各社の製品コンセプト:小型軽量化をさらに追求した東芝「dynabook SS S7」
6位 [WSJ] 「Centrinoはクズ」――AMDのCEOが痛烈批判
7位 8ビット機で使えるネット対応OS「Contiki」
8位 [WSJ] ハードコア層がMacに目を向ける
9位 Centrino搭載ノート、各社の製品コンセプト:Centrinoマシンに与えられた“任務”は?――日本IBM「ThinkPad T40&X31」
10位 Centrino搭載ノート、各社の製品コンセプト:はじめにデザインありき――「バイオノートZ1、VAIO U101」

Weekly Top10 Banias、Pentium M、そしてCentrinoとその名称は変わってきたものの、その中身については、だいぶ前から詳細に紹介されてきた。「なにを今さらCentrino」と思う読者も少なからずいただろう。

 そこで、Centrinoラウンチイベント関連記事は、いままでメディアに登場することがなかった国内ノートPC開発当事者へのインタビューで構成し、実際にCentrino、もしくはPentium MをノートPCに組み込んできた人たちの生の声で、インテルの新しいソリューションを評価しようと試みた。

 ノートPCの開発現場は声をそろえて、「Pentium MとIntel 855の能力はモバイルPCにとって非常に優れている」(東芝)と評価している。取材で直接開発者たちの声を耳にしてきたが、決して外交辞令ではなく、彼らはパフォーマンスと省電力化が両立できたことを素直に喜んでいる。ソニーで聞いた「ソニーとして何ができるのか。それを考えるのが一番大変だった」という言葉が如実に表現している。

 一方で、Centrinoが見切り発車だったと感じていた開発者が多かったのも事実だ。IEEE 802.11bのみの対応、そしてIntel 855GMを待ったおかげで製品投入が間に合わない。この見極めで「悩みに悩んだ」(ソニー)という意見はいたるところで聞かされた。「IEEE 802.11gの正式策定後に早急に対応する」というラウンチイベントにおけるインテルの発言を「悩みに悩んだ」開発者は複雑な思いで聞いただろう。

 CPUとチップセットと無線LANの実装。この組み合わせで発揮される「総合力」がCentrinoのメリットとインテルは述べているが、いったん実装したら換装ができないノートPCは、たった1つのウィークポイントが総合力の足かせにもなってしまうのだ。

 インテルのインタビューよりアクセス数の多かったのが、[WSJ]「Centrinoはクズ」――AMDのCEOが痛烈批判というのも皮肉だったが、日本AMDの吉沢俊介取締役がCentrinoラウンチ当日の強行した「モバイルAthlon XP-M」発表会で述べた「一社独占のソリューションがCentrinoの弱点」という言葉がひょっとすると現実になるのかもしれない。

[長浜和也, ITmedia]

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