News 2003年4月11日 03:30 PM 更新

次のPentium M、Dothanはどうなる?(2/2)


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 私がここでコメントできるのは、Dothanの位置付けが“Baniasの上位製品”ということだけです。130ナノの製品(Banias)とDothanは、一時的に出荷時期がオーバーラップします。つまりBaniasの上位モデルとして、Dothanが一時的に共存することになります。

Dothanはアーキテクチャ上の変更を行うとしているが、それはどの程度のものなのでしょう? キャッシュメモリが倍増する以外にも、何かあるのですか?

 マイクロアーキテクチャに手を加えてはいますが、あくまでも微調整です。最初から実装しようとして、Baniasには入れられなかった要素もありますから。

Centrino戦略の推進によって、ワールドワイドではどの程度ノートPCのシェアが高まると予測していますか

 世界中でノートPCへの移行は進んでいます。(デスクトップPC全盛の)アメリカでさえもそうです。

 具体的な数字を上げるのは難しいですが、2005年から2006年には(20%だったノートPCのシェアが)30%になると考えています。コストの問題でまだノートPCが普及していない国もあり、潜在的なニーズは大きいでしょう。

電波の法的な規制の問題について、どのように取り組んでいますか。国間の相互運用性がなければ、モバイルPCの価値は半減します。

 われわれの製品で802.11aのサポートが遅れた理由の1つとして、米国と日本で利用周波数帯の互換性がなかったことが挙げられます。また、(Baniasが設計された)イスラエルでは2.4GHz帯が開放されていないため、802.11b無線LANが利用できません。

 すべての国でうまく動くように作られてはいますが、一部にはこうした問題も残っています。時間はかかるかもしれないが、なるべく多くの国で同じワイヤレス技術を使えるよう、さまざまな努力をしているところです。しかし、すでに世界の95%以上の場所で802.11bは使えます。

トランスポータブルには価格の安いモバイルPentium 4、モバイルPCには付加価値の高いPentium M(Centrino)。では家庭内で移動しながらワイヤレスで使いたい層には、どのプロセッサで対応するつもりでしょう? 家庭向け製品に組み込むには、Pentium Mはまだ高価過ぎます。

 Centrinoを使ってください(笑)。

 家庭のなかで自由にPCを使うといった市場に入っていくには、まだ時間がかかるでしょう。しかし、今年の後半にはそうした使い方を想定した製品も登場しますし、来年になればバリューセグメントにも製品を投入していきます。

ノートPC市場以外へ、Pentium Mのアーキテクチャは投入しないのか?

 おそらく他のセグメントでも使われるようになるでしょう。例えばブレードサーバやネットワークプロセッサとして使っていくかもしれません。しかし、私の担当ではありませんから、その分野に関してはお答えすることができません。

Centrinoによって接続性が改善されるとしています。他社のWiFi製品に比べて、本当に有意な差はあるのでしょうか?

 それは競合相手がやるべきで、われわれがやることではありません。

 われわれはあらゆる分野で、ワイヤレスLANの接続性テストを徹底的に行いました。だから接続性を保証できます。ライバルが本当は差がないと言うならば、同じように検証を行ってそれを証明すべきでしょう。

Centrinoのように、特定ハードウェアだけに限定した接続性検証プログラムではなく、もっと緩やかな業界団体ベースでの接続性検証プログラムに切り替えるつもりはないのですか?

 まったくありません。インテルの予算で他社の製品を宣伝するようなことを、なぜしなければならないのでしょう?



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[本田雅一, ITmedia]

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