ゲーム中毒のヘビーユーザはオンラインゲーム事業者の収益に貢献しない!? ―東大ゲーム研究プロジェクト
20040628-ut01.jpg,
成蹊大学経済学部の野島美保氏は、東京大学ゲーム研究プロジェクトの定例研究会で、『オンラインゲーム産業にみる「ネット・アイデンティティ戦略」』と題した発表の中で、ゲーム中毒のヘビーユーザは事業者の収益に貢献しないと述べた。
自身もMMORPGをプレイする野島氏は、オンラインゲームについて経営戦略論・マーケティング論の視点から研究を進めており、パッケージ販売されるゲームと比較した場合、オンラインゲーム(特にMM0ORPG)は、ネットワーク外部性によって人気ゲームへの集中が加速すること、効用(プレイヤの享受するメリット:楽しさなど)と価格・収益の関係が確立されていない、といった特徴があるという。
そして、重要顧客探索についての実証研究として、韓国で2002年11月に特定タイトルのプレイヤーを対象にしたアンケート調査を実施、その結果の分析から、オンラインゲームのプレイヤーを「参入退出を促進するユーザ」「内部コミュニティを促進するユーザ」「ゲーム中毒者」に分類。この3タイプのユーザはゲーム内外での行動が異なるという調査結果を紹介した。それぞれのタイプの特徴はおおむね以下のようになる。
- 参入退出を促進するユーザ:他のゲームについての情報伝達が活発で、オフ会にも参加率が高い
- 内部コミュニティを促進するユーザ:コミュニティ志向が強くゲーム内での対話が活発
- ゲーム中毒者:情報収集が活発な一方、ゲームへの心理的依存度が高い。年齢は低め
(※:いずれも韓国での調査による)
このうち、ゲームに定着することで企業収益に貢献するのは、コミュニティ志向の高いユーザで、ゲーム中毒者に分類されるプレイヤーは企業収益・コミュニティに貢献しないとしている。
コミュニティの中核として野島氏が指摘するのは、「ネット・アイデンティティ」だ。これは、ゲーム内でのもうひとつのアイデンティティで、このネット・アイデンティティは、キャラクタ設計(キャラクタの服装やアクセサリ、髪型、髪色など)や、生活の場としてのゲーム世界、キャラクタ同士の共通の体験などによって高められるという。また、コミュニティ志向の強いユーザはアイテムを求める場合でも、戦闘での有利不利よりも、アイテムによる自己表現を意識する傾向が強いなどの特徴的があるという。
東京大学ゲーム研究プロジェクトは、東京大学大学院情報学環・学際情報学府 馬場研究室と、IGDA日本によって運営されている産学協同プロジェクト。
20040628-ut02.jpg,
東京大学大学院情報学環助教授の馬場章氏は、韓国ではインターネットがビジネスとゲームのどちらにも使う方向で成長したが、日本ではこれまでビジネスユースがメインで、ゲームに使うなんて、という風潮があると指摘する。
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR