レビュー
新時代のスタンダードになるか?――“新MD”「Hi-MD」を試す(4/4 ページ)
まず、400Mバイトの動画(.wmvファイル)を、PC本体のHDDからMZ-NH1の1Gバイトディスクへコピーしたところ、所要時間は12分10秒。48Mバイトのデジカメ画像フォルダ(ファイル数は782。すべて.jpgファイル)をコピーした時の所要時間は5分30秒だった。ちなみに同じファイル/フォルダを、PC本体のHDDからUSB 2.0接続のHDD(バッファロー HD-120U2)へコピーした際の所要時間は、それぞれ22秒/23秒。
| 機器 | 400Mバイト動画 | 48Mバイト画像フォルダ(ファイル数782) |
|---|---|---|
| MZ-NH1 | 12分10秒 | 5分30秒 |
| HD-120U2 | 22秒 | 23秒 |
※「コピーしています」のダイヤログ出現から完了までを手動計測。3回コピーを行っての平均値。使用PC:IBM ThinkPad X40、OS:Windows XP PRO、CPU:PentuimM 1GHz、メインメモリ768Mバイト
同じUSB 2.0接続でも、さすがにHDDと比較するとデータの転送速度はかなり遅い。まあこれは当然といえば当然の話だろう。データストレージとしてのHi-MDは、本格的なストレージデバイスとして使えるかどうかということよりむしろ、手軽にデータを持ち運びできる点や、安価な音楽用MDをPCのデータストレージとしても利用できるメリットのほうを評価するべきだろう。
好感の持てる新規格――だが、他メーカーの参入は?
筆者は登場したばかりの時期にNetMD機(LAM-1)を購入、使用していたことがある。増える一方のMDライブラリの整理をPCで行うことをもくろんでの導入だったが、添付されていたジュークボックスソフト「OpenMG Jukebox Ver2.2」がどうにもしっくりこず、また、USB機器としての不安定さを感じることも多く、ついには使わなくなってしまった経験がある。
LAM-Z1を購入したのが2001年の秋だったと記録しているので、3年前の話だが、MZ-NH1+SonicStage Ver2.1の使い勝手は、明らかにこのLAM-Z1+OpenMG Jukebox Ver2.2よりも洗練されている。
ATRAC3plusやマスストレージへの対応といった機能面の進化もそうだが、Gracenoteの提供するCDDBサービスへの対応や(OpenMG Jukebox Ver2.2はCDDBサービスとして、「インターネットCD情報サービス」を利用しており、セットしたCDの情報が見つからないということもままあった)、アルバム名などに半角文字が最初から利用できる(OpenMG Jukebox Ver2.2では全角文字が基本。洋楽アルバムに全角文字でタイトルを入力するのは個人的にかなり抵抗があった)など、当時、「こうなっていたらいいのに」と思ったところがかなり改善されている。
Hi-MD規格を使用すれば、最も高ビットレートのATRAC3plus 256kbpsでも約8時間の録音が可能なうえ(1Gバイトディスク使用時)、SonicStage Ver2.1を利用すればその時々の用途にあわせて、逐一、MDへの録音ビットレートを変更することもできる。PCでライブラリーを構築しながら、ポータブルオーディオも使いたいというユーザーには歓迎されるだろう。
それに、ノートPCなどと共にUSBケーブル1本を持ち運べば、「普段はポータブルオーディオ、いざというときには外部ストレージ」として使える利便性もある。デジカメ画像やプレゼンのファイルなど、人に渡すとき、CDに焼くには小さいがメール添付するには大きいというデータは意外にあるものだ。
そうなると気になるのが“Hi-MD”という規格自体の普及だ。現在のところHi-MD対応機種は今回試用した「MZ-NH1」のほか「MZ-NH3D」「MZ-EH1」「LAM-X1」と全4機種あるが、いずれもソニー製。他社からは登場していない。また、価格も録音可能な機種で最も廉価なMZ-NH3Dが3万5000円前後(市場想定価格)と高価なのも気になる。
既存MDとの互換性を持ちながら、大容量化とPCとの親和性を高めたHi-MD。他メーカーの参入と低価格化が進めば、MDLPのように“気が付けば普及している”という状態になることも十分期待できる。累計で約8000万台の対応機器が出荷されたMDの新規格として、ソニーが他のメーカーをどれだけ巻き込み、“普及→価格低下”という好サイクルにもっていけるか。その手腕が今後問われるところだろう。
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