VoD、普及の決め手は“ハイブリッド型”?
サンストリームは、DVD並みの画質を実現するストリーミング配信システム「SANSTREAM 300/400」についての説明会を開催。代表取締役の小橋康浩氏は「VoD(Video on Demand)の落としどころは“地デジ”だと考えている」と、VoDストリーミング放送のこれからの展望について言及した。
VoDストリーミング配信システム「SANSTREAM 300/400」はコーデックにH.264/AVCを利用。「500kbpsのビットレートでDVDレベル」(同社)という高い画面クオリティを実現したほか、バッファリングスピードも高速で、レスポンスも軽快だ。
既に松下電器産業や江崎グリコが同システムによる映像配信を行っており(松下電器、江崎グリコ)、サイトではTVCMなどが視聴できる。視聴に際しては専用プレーヤーの導入が必要だが、自動的にコーデックがインストールされ、Webブラウザの別ウィンドウとして展開するため非常に手軽だ。
回線の帯域幅が狭い場合でも同システムは威力を発揮するとのことで、「800kbpsの帯域幅があれば、DVD並みのクオリティを持つビットレート500kbpsの映像を、スムーズに送信することができる」(同社)。また、配信サーバ側には独自の送信技術が実装されており、2時間の映画をストリーミング視聴する場合でも、開始時のバッファリングは2~3秒で完了する。
コンテンツ自体は暗号化された状態で送信され、サーバとクライアントの間でケルベロス認証による相互認証が行われた後、暗号が解除されて視聴可能な状態になる。現時点では実装されていないが、コピーワンスなどの著作権保護ルールを埋め込むことも可能。
同システムはライブ放送にも対応可能で、これまでのストリーミングライブシステムに比べ、高画質かつタイムラグの少ない配信が可能だという。
同システムは現在、PC向けのサービスだけを提供しているが、将来的な構想として、情報家電や携帯端末へのストリーミング配信も視野に入れている。これは、同システムが狭い送信帯域でも十分な画質での送信が可能なためだ。
「既存放送とストリーミング放送の大きな違いはオンデマンドに対応できるかどうか。ストリーミング放送が最後に向かうところはTVだと考えている。既存放送とストリーミングによるVoDを組み合わせた“ハイブリッド放送”の提供を目指したい」(小橋氏)
インターネットを利用した家電向けVoDサービスはすでに幾つか開始されているが、いずれもSTBなどを利用しており、導入時点での敷居は低くない。しかし、TVやHDDレコーダーなどにあらかじめVoD機能を組み込んでしまえば、まずは+αの機能としてスタートし、徐々に認知度を高めていくというアプローチを取ることができる。
ただし、放送局側からすれば、コンテンツをVoD配信するに際して既存放送との共存を慎重に進めなければならなくなる。VoDの映像クオリティが上がれば上がるほど、既存放送との競合相手になるからだ。
この問題について小橋氏は、「落としどころは地上デジタルだと思う。既に放送業者との話し合いは進めており、VoDを既存放送の競合相手にするのではなく、地上デジタルのデータ放送領域を利用してVoDサービスを提供するなど、共存関係になれればと思う」と考えを述べる。
VoDサービスがどのような形で家電の世界に広まっていくのはいまのところ不明だ。しかし、STBなどを使い、VoDをメインに据えてサービスを展開するよりも、小橋氏の述べるように、これまでにある放送やサービスを補完する“ハイブリッド型”のほうが、速やかな普及が期待できるのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR