2010年には携帯もIP電話に?――「ネットの父」が描く未来像(2/3 ページ)
サーフ氏 実際に進展しています。これは10年前から標準化されていましたが、今はある程度の勢いが付いています。MCIでは、2005年にIPv6を実装・配備することに全力投球しています。当社では以前から、私学のvBNS(very high speed Backbone Network Service)システムでこれを採用しています。
―― ほかにどこがIPv6を積極的に推進していますか?
サーフ氏 日本ではかなり活発な活動が行われています。中国での活動も次第に活発化しています。どうして中国がIPv6を推進しているのか分かるでしょう。同国のインターネット利用は急速に増えており、もし中国民全員にIPv4アドレスを1つずつ割り当てたら、同国だけでパブリックIPアドレススペース全体の3分の1を使うことになるという試算までできます。IPv4アドレススペースを使い尽くしたら、それはもう石油を使い尽くすのと同じようなものです。
―― IPv6導入に際しての問題は?
サーフ氏 IPv4と並行して運用しなくてはならないという点です。両方のプロトコルを同時に運用する期間が何年かあるでしょう。つまり、2つのルーティングテーブルを利用し、これらのテーブルやルーティングプロトコルなどにより多くのメモリを使うことになります。これは簡単ではないでしょうが、実際に必要なことなのです。
―― 今日のインターネットはネットバブルのピーク時よりも良くなっていますか?
サーフ氏 そうですね、2つの理由から良くなっています。まず1つ目は、インターネット関連開発への投資という点にあります。かつてドットコム株に手を出してやけどしたベンチャーキャピタリストは、今はとても慎重になっており、実際にビジネス的に意味のある分野に投資しています。彼らには株式価値を作り出そうという気持ちがありましたが、その一部は「間違えれば全財産を失う」という理解に変わっています。これは良いことです。どう投資するか、どの新興企業が注目を集めているかにもっと注意が払われることになります。
2つ目は、ドットコムのブームと破綻にもかかわらず、ネットワークキャパシティと接続性は拡大し続けています。インターネットに対する基本的な信頼があるのです。インターネットは利用者も各国への浸透度も、固定・無線ブロードバンドアクセスも増え続けています。グリッドコンピューティングも企業のオンライントランザクションを増やし、公共インターネットの継続的な成長、公共インターネットへの依存を拡大するでしょう。
―― VoIPについてはどうですか?
サーフ氏 確かにこれは今はやっています。VoIPで特別なのは、(音声通話は)公衆交換電話網で唯一できること――あるいはダイヤルアップモデムやFAXを除いてほぼ唯一できること――なのに対し、VoIPはインターネットでできることの1つにすぎないということです。つまり、収入源として単純な音声通話に大きく依存するビジネスモデルはどれも、いずれは慎重に(そしておそらく迅速に)考え直さなくてはなりません。MCIでは、VoIPをほぼあらゆるところに提供するのに力を入れています。ただし、それと同時にこの展開がわれわれのビジネスモデルに大きく影響するということを認識しています。「自分たちの従来のビジネスと食い合う事業をやっているのか」と聞かれれば私の答えは「イエス」です。ですが、誰かに自分のランチを食べられるくらいなら、自分で食べる方がいいわけです。
―― あなたが思い描く2010年のインターネットは?
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
4
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
5
松屋の公式アプリとWebサイトが停止 不正アクセスを検知、モバイルオーダーや弁当予約も使えず
-
6
ベネフィット・ワンの委託先に不正アクセス セゾン会員向け優待サービスで約2.9万人分の個人情報漏えい
-
7
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
8
ANAの予約情報に不正アクセス、JALと同じ委託先経由で 個人情報をのぞき見た痕跡も
-
9
不正アクセスによる漏えい人数、半年余りでのべ2億6000万人に 日本人口の2倍超
-
10
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR