ブラウザ業界に火を付けたFirefox
「Firefox 1.0」は、Webブラウザ市場に新たな活気をもたらしているようだ。
同ブラウザが先日Mozilla Foundationからリリースされた後、MicrosoftはInternet Explorer(IE)に関する沈黙を破り、America Online(AOL)はFirefoxベースの新ブラウザ評価版を11月30日にリリースすることを認め、Netscapeブランドに新たな息吹を吹き込んでいる。
Microsoftは2006年に予定されている次期Windows「Longhorn」までIEの新バージョンをリリースする計画はないが、アドオン技術としてIEに新機能を追加する可能性はあると、MicrosoftのWindowsプロダクトマネジメントディレクター、ゲーリー・シェア氏は明らかにした(11月18日の記事参照)。
「IEチームには新バージョンが出るまでの間に機能を追加するという選択肢がある。現時点で具体的な計画はないが、1つの選択肢であることに間違いない」と同氏。なおMicrosoftのMSN部門は早くも「MSN Toolbar」にアドオン手法を取り入れている。
この何年もの間、IEの完全なメジャーアップグレード版は登場していない。Windows XPユーザー向けには、最近Service Pack 2(SP2)によりブラウザアップグレードが提供された(関連記事参照)。SP2にはポップアップ広告遮断やセキュリティ強化などの機能が含まれるが、こうしたアップデートはXPより古いバージョンのWindowsのIE向けには提供されないとMicrosoftは説明している。
シェア氏によれば、MicrosoftでIEを担当しているスタッフの一部は現行バージョンのメンテナンスに携わっているが、大半のチームメンバーはLonghorn向けIEに取り組んでいる。Longhornに搭載されるIEでは、新機能に加え、セキュリティおよびプライバシーの強化版、サードパーティ製品のサポート強化などが提供されるという。
エンドユーザー向けには、「お気に入り」を管理しやすくする手法と「タブブラウジング」が検討されている。後者は、複数のWebページを1つのウィンドウ内に収め、タブで表示する機能だとシェア氏は説明する。「基本的にはIEをより機能的で、そして機能満載なブラウザにしたい」。IEと競合するFirefoxなどのブラウザでは既にタブブラウジング機能が提供されている。
一方AOLのブラウザ部門であるNetscape Communicationsは、Firefoxベースの新ブラウザのプレビュー版の準備を整えている。「Firefoxに基づいているが、Firefox以上の強化機能を持つ“Firefox Plus”といったところだ」とAOLの広報担当アンドリュー・ウェインスタイン氏。
このプレビュー版(αリリースと呼ばれる)は11月30日にリリースが予定されている。ウェインスタイン氏は、新たなブラウザと電子メールクライアントは最終的に現行のNetscape機能に置き換わると説明したものの、製品の詳細を明かすことは避けた。
AOLは8月に「Netscape 7.2」をリリースしたが、これは「Mozilla 1.7」を基盤としたもの。Mozilla 1.7はブラウザ、電子メールクライアント、IRC(インターネットリレーチャット)クライアント、Webページエディタを含むプロダクトスイート。
Firefoxのリリース以来、そのダウンロード件数は衰えることがない。Mozilla Foundationの広報担当によれば、19日朝の時点でFirefoxのダウンロード数は470万件に達した。
Mozillaが今年2月に「Firebird」プロジェクトを「Firefox」と改名して以来、Firefoxは著しい勢いを見せている。Web調査会社WebSideStoryによれば、Firefoxのシェアは10月末時点で3%。Mozilla Suite、Netscape、Firefoxを合わせたシェアは6月の3.5%から10月末には6%に伸びた。IEはシェアを落としつつも依然市場の92.9%を占めている(WebSideStory調べ)。
FirefoxはMozilla Foundationのスタンドアロンブラウザ。Mozillaは、1998年初めにNetscapeが立ち上げたオープンソースプロジェクトで、Netscapeはその年にAOLに買収された。昨年、Mozilla関係者によってMozilla製品の開発、サポート、普及を目的とし、主にAOLによる200万ドルの寄付金でMozilla Foundationが創設された。
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