心待ちにできないLonghorn
私だけだろうか。それとも、MicrosoftのLonghornは形のない泥なのだろうか?
と言うのはだ、私たちはLonghornにまつわる不思議をこれまで耳にしてきた。そして最近では、2003年以来、Longhornが信じられないほど「縮んでいる」という不思議を耳にしている。
私の胸を躍らせたこの新OSの要素、オブジェクト指向のファイルシステムは延期されてしまった(8月30日の記事参照)。残りの要素はというと、(プラットフォーム部門幹部の)ジム・オールチン氏はわくわくすること請け合いと言っているのだが、あまり胸の高鳴りを覚えない。
私は今でも、Longhornが、Microsoftが今度こそ皆に買わせたいと思っている「セキュリティフィックスの集合体以上のもの」になるという確信を持っていない。
Longhornは、「Microsoftが私たちに売ったOSはとてもお粗末でややこしくて、穴がある。しかもその穴を修正する方法は、最初から仕切り直してユーザーに新しいハードを買わせるしかない」ことを別の表現で表したものにすぎないのだろうか?
私は自分をLonghornの専門家だとは思っていない。皆さんと同じようにニュースと憶測を追っているのだが、すべてのピースを組み立てることができずにいる。
たぶん私は特に鈍いのだろう。でも私には「Longhornとは何か」を説得力を持って正確に、一段落で言ってしまうことはできないのだ。
「LonghornはMicrosoftの次世代OSで、私たちのセキュリティ問題を解決することになっているが、これを走らせるには新しいハードが必要かもしれない……」。ここまで言ったところで、私は言葉に詰まってしまう。
これでは別に魅力的ではないではないか。
ファイルシステムがなくなったことで、Microsoftはこれから私に、Longhornは私が必要とする、あるいは欲しがっているものだということを納得させなくてはならない。
もう2年ほど経てば、Windows XPは(おそらく)平均的なビジネスユーザーにとって十分セキュアになり、Longhornは2~3年の間避けられることになるかもしれない。
しかし、一部のエンタープライズ顧客にとって、XPは決して十分に安全ではないだろう。そこでおそらくLonghornは、Windows NTが占めていた位置――ほかのほとんどの顧客には無視されるが、大企業顧客にとっては真のツール――に座ることになる。少なくとも、Longhorn技術が幅広く役に立つものになり、魅力的なアプリケーションによるサポートが十分にそろうまでの最初の2~3年はそうなるだろう。
もしもLonghornが新しいハードを必要とするのなら(つまり、一般的な顧客のやり方通り、新しいハードにたまたまLonghornがついてきたときにOSをアップグレードするのであれば)、Longhornユーザーとほかの人たちの間にはちょっとした分裂が起きるだろう。
ほとんどのユーザーがこのOSに注目するということはないだろう。Microsoftは実際、Longhornに関心を持つべき説得力のある理由を提示してこなかったからだ――Longhornはまだ私が持っていない、どんな機能をもたらすのだろうか? Longhornはアプリケーションをどう変えるのだろうか?
例えば私は、Microsoft OfficeのLonghorn版に現行のWindows XP版にはないどんな機能があるのかが知りたい。
またホームユーザーにとって、Longhornは特に魅力的な機能を持っているのだろうか? ネットワーク設定の面倒さをきっぱりと解決してくれるのだろうか?
確かに、まだ時期は尚早だ。Longhornが登場するのは1年かそれ以上先のことだ。β版が出回り始めても、それはハード・ソフト開発者向けのものだ。
これら開発者が、Longhornの何たるかを理解しているのかは分からない。さらにほとんどの人は、Longhornはユーザーのシステムに現れる前に、もっと多くの機能を落として来る可能性がある――その可能性は実に高い――と考えている。
それでも、Longhornがユーザーに何をもたらすのか、その登場を心待ちにするべき理由をMicrosoftがもう少し明かしたらいいのにと思う。私としては、今体験しているレベルの低い不安よりも、この新OSにわくわくしたくなるようなことが聞きたいのだ。
Microsoftは今このときこそ、Longhornをもっとうまくユーザーに売り込み、私たちの混乱を解消する必要がある。
Longhornを楽しみに待ちたいのはやまやまだが、今のところ期待するものが何もない。Longhornが何なのかを自分が分かっているとも思っていない。それは私だけではないはずだ。
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