三菱電機、組み込み用高性能暗号アルゴリズムを開発
三菱電機は9月12日、機器組み込み用暗号アルゴリズム2種類を開発したと発表した。RFIDタグなどにも搭載可能な小型・低消費電力な「BRUME」(ブリューム)と、超高速処理が特徴の「BROUILLARD」(ブルイヤール)。同社で自動車や監視カメラなどの用途向けに実用化する方針。
同社がちょうど10年前の同じ日に発表した暗号アルゴリズム「MISTY」シリーズの小型版、高速版として、それぞれフランス語の「霧」「霞」から名付けた。
BRUMEは小型機器の認証用途などを想定。ソフトウェアサイズが1Kバイト以下、ハードウェアサイズが3Kゲート以下と、MISTYの約半分に小型・低消費電力化した。ICタグや自動車のキーなどにも組み込むことができる上、チップコストの削減も可能になる。
BROUILLARDは、MISTYの10倍に達する高速処理性能が特徴。Pentium 4/3GHzで毎秒約1Gバイト(鍵長128ビット)のデータ処理が可能で、高速で知られる「RC-4」の「3倍は早い」(松井充・同社情報技術総合研究所情報セキュリティ技術部長)という。監視用ネットワークカメラの動画を暗号処理することで傍受を防ぎ、さらにリアルタイム伝送も行うといった用途を想定している。
両アルゴリズムとも、暗号鍵やデータ処理単位の長さなどを顧客がカスタマイズできる仕様とした。顧客が自らカスタマイズすることで、企業機密を保ったまま独自の暗号処理を機器に組み込むことができるとしている。また暗号鍵長の変更で輸出審査の簡素化も期待できると見ている。
MISTYはW-CDMAとGSMの標準暗号(KASUMI)に採用されているほか、今年5月にはISOによる国際標準規格に認められるなど、国際的に高く評価されている国産アルゴリズムとして知られている。今回発表した新アルゴリズムは、MISTYと同等の安全性を保ちつつ、アプリケーションを限定することで小型化や高性能化を図り、従来は適用が難しかった分野に暗号処理を導入するのがねらいだ。
今後、同社でBRUMEを自動車用スマートキーシステムに、BROUILLARDを監視カメラに搭載していく計画。またルネサステクノロジが認証用マイコンの暗号ライブラリとしてラインアップする予定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
7
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
8
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
9
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
10
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR