PDPはコスト競争力向上、LUMIXはトップ──松下の中間期は一転増益に
松下電器産業が10月28日発表した2005年9月中間期連結決算(米国会計基準)は、日本ビクターや携帯電話の不振で減収だったものの、プラズマテレビやデジタルカメラが好調を維持した結果、減益とした前回予想から一転して増益を達成した。
第2四半期の営業利益率は5.7%となり、2007年3月期の目標として掲げた通期5%の達成も見えてきた。だが都内で会見した中村邦夫社長は「あくまで瞬間最大風速。まだまだ体質強化が必要だ」と話し、「“オセロ型”のデジタル競争が続く中、松下の窮地は脱したが危機は続くとの認識で競争に立ち向かう」と気を引き締めた。
売上高は4兆2592億1300万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は1710億8700万円(同9.4%増)、税引き前利益は1541億1100万円(同12.3%増)、純利益は644億700万円(同14.6%増)。
PDPはコスト競争力向上、LUMIXはトップに
中村社長が「メーカーの顔」と話す「VIERA」ブランドのプラズマテレビは好調を維持。世界全体の売上高は1833億円と前年同期比8割増に。日本国内では同47%増となる443億円を売り上げたほか、9月に入りシェア50%超となった北米が680億円と同2.5倍に拡大したのも大きい。
「国内では9月の販売台数が7倍になった」(川上徹也専務)と需給のひっ迫を心配するほどで、通期の販売台数予想を当初から30万台積み増して210万台に上方修正。売上高は3000億円超を見込んでいる。
例外にもれず価格低下のあおりは受け、「PDPはまだ消もう戦の段階」(中村社長)だが、材料費圧縮や歩留まりを90%以上に向上させるなどのコスト力強化を進めてきた。9月には尼崎新工場が2カ月前倒しで稼働を開始し、中村社長は「ますますコスト競争力が出てくるだろう」と話す。今期200万台だった生産能力は来期には350万台に強化する。
デジカメ「LUMIX」も躍進した。8月下旬に新製品を3機種同時に発売すると、9月にはコンパクト型で国内シェアトップを奪取したという。「デジカメは出遅れていたが、今はナンバーワンにまでこぎ着けた。販売・利益でAVC社を引っ張っている」(川上専務)
デジタル家電部門のパナソニックAVCネットワーク社全体の売上高は7258億円で前年同期比6%増。営業利益は同44%の大幅増となる280億円となった。
携帯とビクターは2006年に回復
一方、携帯電話などを担当するパナソニックニックモバイルコミュニケーションズの売上高は同15%減の2464億円にとどまり、営業利益は53億円の赤字となった。また日本ビクターは153億円の最終赤字を計上するなど(関連記事参照)、それぞれ不振からの回復が遅れている。
中村社長は「携帯電話は足踏みしており、検討課題に挙がっている」とした上で、「2010年までに4Gに段階に入る。4Gまでに事業として花が咲くように準備を進め、2006年から回復し、2010年に向かって新技術を開発する段階へ進めたい」と話した。
ビクターについても「回復が遅れたが、リストラや選択と集中を進めている。ビクターにしかない強みに絞り、2006年度から立ち上がってくると確信している」と述べ、それぞれ2006年には回復させる考えを示した。
全社の構造改革は「日常的に行っていく段階。もう本社主導の大きなものはない」(中村社長)と、大規模な人員削減は終了したとの認識だ。
下期見通しは慎重
好調ながら、下期の見通しには慎重だ。中村社長は、原材料高や米国消費の冷え込み懸念を理由に挙げ、「現段階では上方修正は考えていない」として通期業績予想は据え置き、見直しは第3四半期終了後とした。
通期の連結業績見通しは、売上高が8兆7200億円(前期比横ばい)、営業利益は3300億円(同7%増)、税引き前利益は2900億円(同17%増)、純利益は1100億円(同88%増)。
株主利益還元として積極的に進めてきた自己株取得の結果、現在は発行済み株式総数の9.6%を保有するに至っている。今後、10%を超えた分については毎期末に消却する方針を発表した。今期の株主還元額予定は配当と自己株取得で合計2073億円と、前期から700億円弱の増額となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR