レビュー
「完全PCレス」は実現するか――長瀬産業「HMP-100」(3/3 ページ)
PCと連係させて利用するためのソフトとしては「Trans Music Manager」が付属する。ライブラリー/同期機能はもちろん、CDからのリッピング機能(CDDBが利用できる)やMusicIDを利用した曲情報検索機能も備えている。
「ライブラリ」から「フォルダをライブラリに追加」もしくは「ファイルをライブラリに追加」でライン入力されたファイルを読み込むと、デフォルト設定では自動的にMusicIDによる検索が開始される。今回はPCにThinkPad T42(Pentium M 1.7GHz/メモリ1Gバイト)を使用したが、HMP-100上からMusicIDの適用を行うよりも処理スピードはかなり高速で、ストレスを感じることはなかった。
利用に際して気をつけたいのが曲データの管理。MusicIDで割り当てられた曲データはメタデータを利用して管理されているようで、ユーザー自身でWindows上からタグを編集しても、Trans Music Manager/HMP-100上からは認識されない(ファイル名も変更されない)。
また、既存(iTunesやSonicStageなどで生成した)のMP3ファイルを読み込むと、Trans Music Managerが記入されていたタグ情報を書き換えてしまうこともある。これは「プリファレンス」内に用意されている「認識されたファイルを更新」の項目を「常にライブラリデータをGracenoteメタデータで更新する」あるいは「ライブラリデータを更新しない」にしておくことで回避できるようだが、気をつけたいところだ。
そのほか、iTunesの「スマートプレイリスト」に相当する自動プレイリスト作成機能「オートプレイリスト」や、類似する曲や関連する曲を抽出してプレイリストを自動作成する「IntelliMix」などの機能も備える。全体的な操作感や機能はライブドア(PRO-G)の「MediaManager」やアイリバー・ジャパンの「iriver plus 2」に似たところもあり、PCレスを前面に押し出した製品に添付されるソフトとしてはかなりマニアックだ。ややクセのあるソフトともいえるが、なかなか楽しめる。
シンプルな操作性、ややロック向きの音質
楽曲の転送が完了すれば本製品で音楽が楽しめる。再生/一時停止キーで電源のON/OFFを行い、メインメニューから「アルバム」「アーティスト」「ジャンル」などの項目から再生したい楽曲を選択すればよい。上下キーで階層内の移動、右キーで1階層進む、左キーで1階層戻る、再生/一時停止キーで決定という操作インタフェースは一般的なものといえ、利用に際して戸惑うことはないだろう。
標準添付のヘッドフォンと組み合わせて視聴してみたところ、中域の豊かさが足りないという印象だ。ベースの低音やストリングスの高音などはしっかりしているのだが、中域の押しが足りないせいか、ポップスなどを聴くとどうもパンチが足りないように思う。ロック/ジャズ/クラシック/ポップスのプリセットイコライザーも用意されているが、どれを適用しても中域へ劇的な効果をもたらすことはない。どちらかといえばロック調の曲に向くといえるだろう。
本製品はMusicIDとMagicSyncによる“完全PCレス”をうたって登場した。確かに野心的な機能を多く備えているが、使用した製品の段階で言えば、曲間検出精度の甘さや携帯電話接続時の動作などに、作り込みが足りない印象を受ける。ファームウェアの提供が近日に予定されているが、アップデートもPCを利用しないと行えなかったり販売もWeb直販のみと“完全なPCレス”をアピールするにはやや苦しいと言わざるを得ない部分もある。)※初出時、Music IDの適用は1曲づつと記載いたしましたが、アルバム単位でも適用できます。お詫びして、訂正させて頂きます
同社では本製品に利用されている組込型のMusicIDとMagicSyncの技術を関連メーカーにライセンス供与する計画も明らかにしており、本製品の「PCレス」というスタイルがほかのポータブルプレーヤーや、携帯電話などに取り入れられる可能性もある。曲認識から管理までをMusicIDで行い、新たな情報は携帯電話で取得するというスタイルは非常にユニークで将来性を感じるだけに、プラットフォームとしての熟成を期待したい。
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