麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
デジタル分野総なめ――「2005年デジタルトップ10」(3/4 ページ)
――5位にはデジカメが登場ですね。薄型大画面というトレンドがコンパクト機で定着した感のあった今年は、さらなる差別化としてカメラメーカー各社がさまざまな提案をしました。
麻倉氏: ええ。その中でも大きなトレンドが「手ブレ補正」ですね。コンパクト機の手ブレ補正で先行する松下の光学式に加えて、富士写真フイルムは高感度でシャッタースピードを速める手法をとり、CCD+レンズユニットを動かして手ブレを補正するコニカミノルタなど、その方法はさまざま。いずれにしても今後は、テブレ補正はコンパクト機でも必需品という流れになっていくのは必至でしょう。
その中でサイバーショット DSC-T9は、光学式補正だけでなく、ISO640まで使える高感度も組み合わせることで手ブレを徹底的に抑え、さらに立ち上がりが早くてストレスなく撮れるのです。しかも、薄さ・軽さは申し分ないし、液晶ディスプレイの画質もいい。コンパクトデジカメは、気張らずに流れの中で自然と撮れることが一番重要。自然体で撮ってもブレのない写真が撮れるT9は、今もっともお気に入りの1台です。
――4位は10月にWOWOWで放送したイーグルスライブですね。これは私もハイビジョン録画して、いまだによく視聴するコンテンツです。
麻倉氏: このライブはカメラワークが素晴らしいですね。カメラの切り替えも撮影方法も落ち着いていて、画像自体のスタビリティというか安定性があり、大画面環境で視聴していても疲れずに楽しめる作品になっています。昨年のオーストラリア・メルボルンでのライブ映像なのですが、最新機器を多用しているため映像がベラボウに素晴らしく、先行して6月に発売したDVD版もよかったのですが、WOWOWのハイビジョン放送版はさらに美しい。ホテル・カリフォルニアのあとアンコールのデスペラードというパターンが、今年後半の視聴イベントの定番でした。WOWOWハイビジョン版の唯一の欠点は、音がダメなところ。やはり、AACの5.1chは音がスカスカしますね。音は断然DVD版のDTVがいいです。
そうはいっても、映像のよさは一見の価値あり。普段、私が訴えている“エアチェックは一期一会”がまさにあてはまるように、このイーグルスライブは10月に放送して、そのあとまったく再放送しません。これのエアチェックを逃した人は、ほんとうに悔しい思いをしているでしょうね。
――いよいよトップ3です。3位はソニーのハイビジョンハンディカム「HDR-HC1」ですね。
麻倉氏: “ハイビジョンの生撮り”という従来にない新しい文化を提案したという意味でトレンディな製品でしょう。放送だけでなく、自分でもハイビジョン作品が残せるという意義は大きいです。価格もSD画質の3CCD機と競合できるぐらいにまで下がっていますし、画質もシビアに見るとやや甘い部分もありますがプラズマ/液晶で観る分にはクッキリとした映像を映し出してくれます。
また、撮像素子にCMOSセンサーを採用している点も注目です。これまでCMOSはノイズが非常に多いというのが通り相場だったのですが、ソニー開発者の高い技術力で徹底的にノイズを退治しています。今年のソニーは叩かれっぱなしのイメージがありますが、その中でもHDR-HC1はソニーらしさを売りにしてヒットした商品といえるでしょう。
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