Windows Vista、欧州でリリース延期の可能性
米Microsoftは9月7日、Windows Vistaが欧州競争法で問題にされる可能性があり、欧州連合(EU)では米国と同時に出荷されないかもしれないと認めた。
Microsoftの観点では、欧州でWindows Vistaを出荷するために必要な条件を、EUが正確に知らせてくるのが遅いことが問題だという。
「欧州委員会から、Vistaに含めるべきもの、Vistaから除外すべきものに関する明確な指導を受けていない。本日の発表は、それ以上の見通しを示すものではない」とMicrosoftの広報担当ガイ・エスナフ氏は7日、取材に応えて語った。
この問題をさらに複雑にしているのが、Microsoftに対する2004年の裁定だ。これはBitLocker、Windows Security Center、PatchGuardなどVistaに搭載されているほかの技術ではなく、主にWindows Media Player(WMP)に関するものだ。
またMicrosoftは、欧州委員会がVistaに変更を求めることを最終決定した場合、その変更がEU競争法や2004年の独禁法裁定の対象にならないと判断したら、異議を唱える権利を有している。この裁定では4億9700万ユーロの支払いと、WMPなしのWindowsのバージョンを提供することが命じられた。
エスナフ氏は、企業には法的な異議申し立てを行う権利があると認めたものの、現時点での判断は時期尚早であり、推測の域を出ないと語った。
「欧州委員会が具体的に何を懸念しているのか、喜んで意見を聞く。そうすれば解決方法を話し合うことができるだろう。われわれは彼らが懸念していることが分からない。当社は欧州委員会に提出する具体的な提案書を作成済みだ。これからどうなるのか様子を見ているところだ」(同氏)
Microsoftは欧州の顧客に予定通りにVistaを提供したい考えだが、そのためにはEU競争法に完全に準拠しなければならないことを理解している。「欧州委員会の意見を聞いていないため、結果は推測できない」
「過去15カ月間、当社は欧州委員会に対してWindows Vistaに関する広範なブリーフィングを行い、商用リリースに向けて開発が進むたびにレビュー用にビルドを渡してきた」(エスナフ氏)
欧州委員会はさまざまな懸念を挙げ、競合他社からの苦情を指摘しているが、Microsoftは春に、各種の新機能への懸念に対する具体的な提案書を作成済みで、まだそれに対する回答を待っているところだと同氏は説明している。
現状について尋ねると、同氏は、Microsoftは欧州委員会からの回答を待っているところだと答えた。この回答は、さらなる質問あるいは欧州法に準拠するための何らかの指導という形で返ってくる可能性がある。
Vistaの出荷が遅れた場合、Microsoftだけでなく、ソフトウェア製品の販売、導入、メンテナンスを生業にしている多数のパートナー企業にも影響が出るだろう。
エスナフ氏はそれを認め、「これはWindows Vistaを中心に事業計画を立てている欧州の多数のIT企業、同OSのセキュリティ機能やプライバシー機能を使いたいと思っている多数の顧客にとって深刻な問題だ」と述べた。
Microsoftのもとには、Windows Vistaの欧州での規制状況を知る必要がある欧州のパートナーからたくさんの問い合わせが寄せられているという。
最大の疑問は、欧州委員会がVistaの設計変更を求めるかどうかだ。もしそうなれば、欧州での出荷の遅れにつながるかもしれない。
「欧州委員会から回答があれば、彼らが欧州での延期につながるような追加の設計変更を要求しているかどうかが分かる」(エスナフ氏)
だがMicrosoftは現時点ではまだ、企業顧客向けには11月、小売りでは1月の世界同時リリースを目指していると同氏は言う。
Microsoftはまた、米司法省と協力して、Vistaが米国での独禁法訴訟の和解条件に見合ったものになるよう取り組んできた。
同省職員は2005年2月に、Vistaのレビューを開始するためにMicrosoftのレドモンド本社を訪れた。
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