新作DVD情報
松本大洋原作の伝説的コミックを映像化――「鉄コン筋クリート」
鉄コン筋クリート 通常版
松本大洋の同名コミックを「アニマトリックス」のプロデューサー、マイケル・アリアス監督がアニメ化した「鉄コン筋クリート」が6月27日に通常版と完全生産限定版の2種類でDVDリリースされる。
通常版は本編ディスクのみで、劇場と同じような音声で楽しめるよう再構築された完全バージョンを収録。特典映像はトレーラー。価格は4725円。
完全生産限定版は松本大洋書き下ろしによる2枚組BOX。特典ディスクには、STUDIO4℃での制作作業やアフレコ風景などを捉えたドキュメンタリー「鉄コン筋 Director’s Diary~マイケル監督・300日の記録~」、二宮和也の記者会見&インタビュー映像、アフレコ直後のキャストインタビュー映像、未公開映像、マイケル監督×Plaid(音楽)の対談を収録。
また、マイケル監督による作品解説や作画監督ら各スタッフのインタビューなどから「鉄コン」の知られざる制作過程が明かされるメイキングブック「ESSENCE(エッセンス)」(120ページ)と、演出プランやキャラクターについて記したマイケル監督の企画ノート「DIRECTOR’S NOTES(ディレクターズノート)」(48ページ)の豪華ブックレットを2冊封入。価格は10290円。
架空の街“宝町”で、盗みや恐喝などをしながら、たくましく生きる孤児のクロとシロ。彼らはネコと呼ばれ、ヤクザさえも一目置く存在だった。2人は固い絆で結ばれ、いつも一緒に行動し、街を飛び回る。そんな宝町にヤクザのネズミと弟分の木村が舞い戻り、さらに蛇という不気味な男まで現れ、不穏な動きを始める。それは、一見楽しそうな“子供の城”建設を中心とした宝町開発プロジェクト。しかし、その裏には街を乗っ取ろうとする蛇の企みがあった。クロとシロの存在が邪魔になった蛇は彼らを抹殺しようと、殺し屋を送り込むが……。
まずは徹底的に描き込まれた街の表情が素晴らしい。渡辺克也の「新宿」と荒木経惟の「さっちん」の2冊の写真集を参考にしたというマイケル監督だが、本当の主役は街なんだ、といわんばかりに、昭和のレトロな建物が雑然と立ち並ぶ。そこをクロとシロが縦横無尽に駆け抜ける姿はなんとも痛快。手描きアニメーションとCGを併用したSTUDIO4℃制作による躍動感あふれる映像も圧巻だ。
そして、クロとシロの声を担当した二宮和也と蒼井優が実にうまい。特に蒼井優はシロそのもので、まるで漫画から抜け出してきたよう。きっと、彼女と言われなければ分からないだろう。ASIAN KUNG-FU GENERATIONが書き下ろした主題歌「或る街の群青」も作品の雰囲気にハマっている。
純粋ゆえに底知れぬ攻撃性を持つクロと、無垢な心を持ち続ける陽気なシロ。迷宮のような街は、お互いの存在なしには生きていけない2人を反映したかのようであり、いつしか彼らの心象風景に飲み込まれていくだろう。愛する街を守ろうと疾走する2人の友情に泣き!普段アニメは見ないという人でも、クオリティの高さにきっと満足感を味わえるはず。必見!
関連サイト:http://www.tekkon.net/index.html(公式サイト)
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