FacebookのCEO、業界幹部から質問攻めに
時価総額150億ドルといわれる会社の23歳のCEOを、気の毒に思うことなどあり得るだろうか。
ところがそれが実際にあった。
Facebookのマーク・ズッカーバーグCEOは、元学生らしくTシャツ、スウェット、ジーンズにサンダル履きといういでたちだったが、Web 2.0 Summitで共同司会者のジョン・バテル氏の執拗な、そして時には皮肉を込めた質問攻めに遭って、5歳は老けた思いがしたかもしれない。バテル氏は確かに、昔ながらのやり方でズッカーバーグ氏をへこませた。
例えばズッカーバーグ氏が、人材採用に力を入れており、来年までにFacebookの陣容を300人から700人に拡大したいと説明すると、バテル氏はすかさず、収益モデルの心配にどのくらいの時間を割いているのかと質問した。
「収益モデルの心配……。まあ、製品開発にはたくさん時間をかけている」とズッカーバーグ氏。
「そうではなく」とバテル氏がさえぎる。質問がはぐらかされたり、誤解されるのを許さない。
バテル氏は質問を繰り返し、ノルマを達成していない営業チームに喝を入れなければならない局面はあるのかと尋ねた。
「いや、よくやってくれているので」とズッカーバーグ氏が答える。
「なるほど、収益モデルにはたいして力を入れていない、と……」とバテル氏は考え込むように言葉を切り、聴衆の笑いを誘った。
バテル氏のしつこさが奏功し、ついにはFacebookが数カ月以内にネット広告の分野で何らかの行動を起こす予定だと、ズッカーバーグ氏に認めさせた。
ズッカーバーグ氏がハーバード大学を中退し、パワーコンピューティングプラットフォームの作者としてのし上がったことを、コンピュータ業界におけるビル・ゲイツ氏の経歴になぞらえ、バテル氏は次のように質問した。「Facebookがプラットフォームを植民地化したいと考えている分野はあるか。あれば教えてほしい。そうすればその分野には進出しないようにするから」
「まあ、広告で何かやるかもしれない」とズッカーバーグ氏が応じる。
「それはいいスタートだね。もう少し詳しく話してもらえるかな」とバテル氏。
「いやいや。今後数カ月で、この話はもっと出てくるので」とズッカーバーグ氏は答えた。
その後バテル氏は、FacebookとMicrosoftの提携状況について尋ねた。MicrosoftはFacebookにディスプレイ広告を配信している。
「両社とも満足していると思う」というズッカーバーグ氏の答えに、「本当に間違いない?」とバテル氏がたたみかけ、「確かだ」とズッカーバーグ氏が念押しする。
ここでバテル氏は広告関連の質問に戻り、Facebookはサードパーティーの広告ネットワーク創設を検討しているのではないのかと問い掛けた。ズッカーバーグ氏は明らかに広告関連の質問にうんざりした様子で、Facebookはまだ着手したばかりだと発言した。
ズッカーバーグ氏を質問攻めにしたのはバテル氏だけではなかった。
質疑応答では、Macromedia創業者で現在はオープンソースのソーシャルネットワーキングツールBroadband MechanicsのCEOを務めるマーク・キャンター氏が、デベロッパーがFacebookからユニークな識別子を取り出せるようなAPIが公開されれば、データの共有方法をユーザーが決められるようになるが、Facebookには、そのようなAPIを公開する考えはないのかと尋ねた。
キャンター氏は「これは閉ざされたプラットフォームの本質にかかわる問題だ。情報はすべて貴社のサーバ上にあって、われわれと共有するつもりはない。わたしに言わせれば、あなたは約98%オープンなプラットフォームを構築しているが、完全にオープンではない」と指摘した。
これに対しズッカーバーグ氏は「当社はそれを目指している。間違いなくそれが目標だ」と明言した。
同氏は時期を明らかにすることは避けたが、もし1年後にまだそれが実現されていなかったら、デベロッパーはどうしたらいいのかとキャンター氏は重ねて尋ね、バテル氏が「また質問してもらうしかないね」とコメントして質疑応答を締めくくった。
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