桃屋「のり平アニメ」CM、ネットで世界に発信 「大衆文化伝えたい」
「江戸むらさき」「花らっきょう」など桃屋の商品をPRするアニメCM「のり平アニメ」シリーズを視聴できるサイトが、1月24日に公開された。1958~93年に放送されたCMから「昭和の食卓」をキーワードに選んだ50本を掲載し、日本語・英語で解説文も付けた。「CMを通じて、子どもや海外の人に戦後の日本の大衆文化を知ってもらいたい」という。
サイトは、慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ(DMC)統合研究機構が中心となり、川崎市市民ミュージアム、東京都歴史文化財団などで構成する実行委員会が文化庁の委託を受けて構築した。
CMは、放送開始から35年経った93年、桃屋から川崎市市民ミュージアムに、教育と研究に役立ててもらおうと寄贈された。DMC機構はこれまで全218作品をデジタル化しており、うち124本をDMC機構が運営する動画配信サイト「VOLUMEONE」で昨年10月から試験公開していた。
新サイトでは、VOLUMEONEで試験公開したCMから“昭和の食卓”をキーワードに選んだ50本を公開。CMは俳優の三木のり平さんを主人公にしたアニメで「江戸むらさき」「花らっきょう」「メンマ」など同社商品を紹介。ゴジラや新幹線などその時代に話題になったものが登場したり、落語やお座敷芸といった大衆芸能がテーマのものもある。
年代ごとにCMのサムネイル画像をまとめて表示し、画像をクリックするとCMを再生する。再生ページでは、CMの説明を日本語か英語で読めるようにした。また、のりのつくだ煮やらっきょなどといった食材、CMに登場する忍者や力士などのキャラクターを英語で説明するページも設けた。
川崎市市民ミュージアムの志賀健二郎館長は「ミュージアムには、ニュース映画やテレビドキュメンタリーなど映像作品がたくさんあるが、どうやって有効活用するかが課題。ネット公開は大きなステップになる。多くの方に見てもらいたい」と話した。
実行委員会代表の岩渕潤子DMC機構教授は「落語などに直接触れたことのない子どもたちに、CMを通じて興味を持ってもらったり、そのころどんな時代だったのかを家庭で話すきっかけにしてほしい。日本の戦後史などを学ぶ外国人が、大衆文化を知るための資料にもなれば」と期待する。
さらに「知恵と技術を使えば、美術館が所蔵する優れた作品を低コストで公開できる。最近は著作権の議論が盛り上がっているが、もっと教育のために自由に使っていいのではと思う。今回公開したサイトによって、そのロビー活動にしたい」と話した。
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