Facebookの登録解除は至難の業
Facebookを退会しようとした数人のユーザーが、手こずった経験をありのままに記してオンラインで披露している。一部のユーザーは、この人気のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と完全に縁を切るのに数週間、あるいは数カ月もかかったとしている。
Facebookの広報担当者はeWEEKの取材に対し、ユーザーはアカウントを「ディアクティベート」(無効化)することで、自分の情報をFacebookから消すことができると語った。ユーザーがアカウントをディアクティベートすると、Facebookのメインサービスからプロフィールにアクセスできなくなり、Facebookはそのデータを再アクティベートを容易にするためにのみ保持する。
Facebookを二度と使わないというユーザーは、プロフィールを削除することもできる。その場合は自分の名前と、そのアカウントに関連付けられたすべての電子メールアドレスが、Facebookのサーバから削除される。
だが、Facebookが公式案内やヘルプセクションで説明していないことがある。ユーザーがアカウントを削除するのにかなりの苦労を強いられることだ。
カナダ在住のプログラマーであるスティーブ・マンスール氏は自身のブログサイトへの投稿で、Facebookの顧客サービス担当者と延々とやり取りを繰り返した経緯を詳しく紹介した。同氏は最終的に、自分の「Mini Feed」、「Wall」への書き込み、送受信メッセージ、そのほかのプロフィール情報を、自分で逐一削除する必要があると言われた。
マンスール氏が学んだのは、Facebookから自分を消すことは可能だが、そのためには自分のアカウントに入って、細かな情報をすべて手動で削除しなければならないということだ。人々の交流を手助けする専門サイトにしては不便なプロセスだ。
Facebookから自分を消すのがなぜそれほど大変なのか。ユーザーが自分のプロフィールをサイトから簡単に削除できるボタンがなぜ用意されていないのか。
SNSは個人データを利用して、消費者のオンライン行動に基づいたターゲット広告を配信している。これは利益率は高いが難しい広告分野で、GoogleやYahoo!、Microsoftが模索を進めている。
Facebookは昨年末、広告システム「Beacon」で問題に直面した。オプトアウト方式でユーザーのオンライン行動をユーザーの友人に知らせる仕組みを同システムで採用していたからだ。ユーザーの苦情やプライバシー団体の批判を受け、同社はBeaconを純粋なオプトイン方式に変更した。
Facebookは、ユーザーの登録情報を解除しにくくすることで、消費者のデータが自社のサーバに置かれる時間を延ばし、広告の獲得をより有利に進められることになる。
マンスール氏はeWEEKの取材に対し、姑息なことが行われていると思うと語った。ほかのSNSもユーザーが追加する個人データやコンテンツを利用するが、Facebookの場合は、ユーザーの引き留めに躍起になっているように見えるからだ。
「ほかのサイトは、われわれが退会したいときに足止めを食わせるようなことはしない。Facebookはそこが違うのが問題だ」とマンスール氏。「Facebookは、ユーザーが登録するすべてのものについて、譲渡不能な完全な権利を与えられ、いったんそれらがFacebookのサーバに置かれたら、その権利を永久に保有する、という立場を露骨に示している」
マンスール氏のブログ投稿に触発されたFacebookユーザーのマグナス・ウォーリング氏は、Facebook上に「How to permanently delete your facebook account」(あなたのFacebookアカウントを永久に削除するには」)というグループを立ち上げ、自分を消す方法の解説を提供した。このグループは6700人以上のメンバーを獲得している。
こうした騒ぎを受けてFacebookは、ディアクティベートと削除のアプローチを見直す考えを明らかにした。
「われわれは、シンプルなディアクティベートのプロセスをより的確に説明するとともに、個人情報をわれわれのサーバから削除したいと考える人のために、削除プロセスを簡単にすることに取り組んでいる」とFacebookの広報担当者は述べた。それ以上の詳細は明らかにされなかった。
当面のところ、プライバシーをめぐるFacebookへの反発の声はさらに高まりそうだ。電子フロンティア財団(EFF)のスタッフテクノロジスト、ピーター・エッカースリー氏は、「苦情を述べている人々は、自分たちをデータベース化する行為が大手を振ってまかり通るのではたまらないと思っている。Facebookがアカウントの削除を拒めば拒むほど、人々はますます削除しようとするだろう」と述べた。
また、マンスール氏は、この問題はいずれはさらに大きな影響を及ぼす恐れもあると語った。Facebookがユーザーデータを不適切に扱うことはないかもしれないが、そのデータはインターネット上にあるため、ハッカーが奪って勝手に使ってしまうこともあり得る。
「もちろん、これはどのSNSにも当てはまることだ。しかし、Facebookは個々のユーザー(とその仲間)に関する非常に詳しい個人データを集めている。このため、例えば、MySpaceがハッキングされても誰かの写真や音楽の好みに関する情報が全部盗まれるくらいで済むかもしれないが、Facebookに対するハッキングは、もっと恐ろしい被害につながる恐れがある」(マンスール氏)
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