本山由樹子の新作劇場

5.22のNYで何が起きたのか?――「クローバーフィールド/HAKAISHA」

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション

 人気ドラマ「LOST」や「エイリアス」などを生み出し、21世紀のスピルバーグと名高いJ・J・エイブラムスが放つ渾身のSFパニックムービー「クローバーフィールド/HAKAISHA」が、9月5日にスペシャル・コレクターズ・エディションとしてDVD化される。

 特典はマット・リーヴス監督によるオーディオ・コメンタリー、製作現場の舞台裏に迫った「メイキング映像」、合成前と合成後の映像の比較ができる「視覚効果」、モンスター制作の過程に迫る「モンスターの正体」、NGシーン、4種類の削除シーン、2種類の別エンディングを収録する。

 5月22日。ニューヨークのアパートで、日本への転勤が決まったロブの送別会パーティーが開かれていた。友人たちはビデオカメラに向かってロブへメッセージを入れている。ところが突如、ごう音とともに、地震のような揺れが。続いて停電。わけも分からず、ロブたちは屋上へと急ぐ。

 そこで見たのは遠くの町で起きた大爆発だった。火の玉、そして自由の女神の頭が吹っ飛んでくる。逃げまどう人々で街中はパニックになり、軍隊も出動して戦闘状態に突入。安全な場所へ避難しようとしていたロブは、パーティーの最中にケンカ別れした恋人から助けを求める電話を受け、友人らと彼女の元へ向かうが……。

 ニューヨークで起きた架空の事件、「クローバーフィールド事件」を疑似体験する映画だ。パーティー参加者が回していた手持ちカメラがセントラルパークで発見され、そのビデオカメラの映像をそのまま映画にしたというのがミソ。死と隣り合わせの中、一般市民が撮ったという設定なので、画面はいつもグラグラ、ブレや飛びも当たり前。映し出されるのはパニックに陥る人々と、破壊しつくされた摩天楼、そしてその破壊者のみだが、視覚的興奮は最後まで途切れることはない。

 徹底した秘密主義とインターネットを駆使した巧妙な宣伝キャンペーンにより、製作費わずか2500万ドルの映画は近年最も話題を集めることとなり、全米では公開4日間で4600万ドルというスマッシュヒットを記録。マット・リーヴス監督続投で、続編の製作も発表された。

 J・J・エイブラムスが「ゴジラ」からヒントを得て作ったという本作。見えそうで見えないは謎の破壊者は、ラストでは正面から拝むことができる。ジェットコースーターに乗ったような、息もつく暇もない90分弱。異様なまでのリアリティと臨場感にグッタリ。揺れ動くカメラワークに船酔いに似た症状を引き起こす可能性があるので、体力のあるときにご鑑賞を!

関連サイト:http://www.04-05.jp/(公式サイト)

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