本田雅一のTV Style
復調の兆しが見え始めた? デジタル放送対応PC(3)
先週に続き、ソニーのリビングPC「VAIO TP1」(VGX-TP1DQ/B)を検証していこう。
ソニーが久々に送り出した「Giga Pocket Digital」の良さは、なんといってもこの夏の「VAIO」がキーワードにしている“インテリジェンス”にある。単体のデジタルハイビジョンレコーダーにも、ここ数年はダイジェスト再生や自動チャプターといったインテリジェントな機能が組み込まれているが、PCには強力なプロセッサと大量のメモリ、それにソフトウェア開発のしやすさといった利点がある。
この利点を生かしていたのが、「VAIO Video Explorer」だった。以前からリビングPCをチェックしている方ならご存知だろうが、このツールはアナログ放送録画時に使えるものとして、従来のVAIOシリーズに組み込まれていた。この機能がGiga Pocket Digitalの中に取り入れられ、デジタル放送でも利用可能になった。
VAIO Video Explorerは、録画した番組の詳細な内容をタイムテーブルごとにタグ情報として管理しておき、録画番組を見る際に“好きな部分だけを抜き出して”再生できる。とくに情報番組やワイドショー、歌番組などでは、素早く自分のお目当ての映像にありつける。
単に“どこからどこまで、どんな内容が放送されたか”が見えるだけではなく、そのコーナーで紹介された店舗や地図を含めた詳細情報、商品の情報などが表示できたり、放送された歌のアーティスト名や曲名といった情報も一覧できる。さらにはCMのスポンサー名や商品名、各商品のWebページへのアクセスリンク、CMソングの詳細情報なども知ることができるなど、CMを「番組を中断させる邪魔な映像」から、「知りたい情報を提供するデータベース」へと変えてしまう。この機能は、主にキーボードとマウスを使った、PCらしいユーザーインタフェースの中で役立つが、リモコン操作の中でもカタログビューを呼び出し、赤外線リモコンだけで活用することも可能だ。
こうした詳細な番組カタログは、映像を分析するだけでは生成できない。ではどうやっているか? というと、番組内容のタグを作成する情報提供会社がタグを付け、それをインターネットで配信している。VAIOは配信される大量のタグ情報を整理し、分かりやすい形で見せてくれる。
長編映画を録画したり、連続テレビドラマを録画してBDライブラリーにしたいといった場合には、単体レコーダーの方が確実性が高く(例えばPCの自動再起動で録画を逃すといったリスクも避けることができる)、リビングルームにある大画面テレビとの親和性も高い。また、現時点では画質の面でもPCは民生機に及ばない。
加えて、現在のGigaPocket Digitalはチャプターを集めたプレイリストを作成することは可能だが、プレイリストをBlu-ray DiscやDVDにムーブできない(カット編集なども行えない)という、ほかのデジタル放送対応PCと同じ制限を持ったままだ。光ディスクの活用という面では、単体レコーダーには及ばない。
しかし、多くの情報が詰まった情報系のテレビ番組を、限られた時間で必要な個所だけ手早く見たい、あるいはテレビで提供されている情報を活用したいといった使い方なら、PCならではの“インテリジェンス”が生きてくる。
テレビで放送されている番組は多様なうえ、それを見る側もさまざまな価値を求めているのだから、レコーダーとは別の魅力(PCならではの機能)を提案しようという姿勢は、まだ未完成の面はあるものの高く評価したい。
なお、ソニーでは現在のGiga Pocket Digitalに不足している機能を補い、今後のモデルに向けた大幅改良を行うべく、開発を続けているという。これらの新機能はアップデートという形で、現行Giga Pocket Digitalユーザーにも提供される予定とのこと。
アップデートの内容はまだ公表されていないが、現在は不可能なカタログビュー向けタグ情報のダビング時の活用(チャプターポイントとして利用するなど)や、プレイリストダビングなど、強く望まれている機能が含まれているようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR