「見せしめとして狙い撃ちされた」 JASRACに提訴されたTVブレイクが見解
「今回の訴状は、弊社のような小さな企業を見せしめとして狙い撃ちしたものであると感じざるを得ません」――動画共有サイト「TVブレイク」を運営するジャストオンライン(パンドラTVから8月1日に社名変更)の今崎善秀社長は8月27日、日本音楽著作権協会(JASRAC)に著作権侵害で提訴されたことについて、Webサイト上でコメントを発表した。
JASRACから18日付けで届いたという訴状を受けてコメントした。訴訟は法人としての同社だけでなく、今崎社長個人も対象という。「小さな企業を対象とした弱い者いじめの感が否めない」として反発している。
「ISP法に則って適正に運営してきた」
コメントによると、JASRACは訴状で、同社が「TVブレイク」上に投稿される動画の管理権限を持ち、かつサイト運用から収益を得ているため、違法動画について自ら侵害行為をしていると同視できる(いわゆるカラオケ法理)を主張。つまりプロバイダー責任制限法で免責されない、著作権侵害行為の主体である「発信者」に当たる、として損害賠償を求めているようだ。
これに対し今崎社長は「プロバイダ責任制限法に沿って適法の範囲において運営されている」と反発。法律論には法廷の場で反論していく」として争う姿勢だ。
「JASRACからの依頼にも対応した」
JASRACのプレスリリースによると、昨年6月に同社に対し、権利侵害動画の配信を止め、投稿を防止する対策を講じるよう要請。だが同社は「サイト上で行われる著作権侵害の責任は負わない」と要請を拒否したという。
これに対し、今崎社長は「削除要請を拒否した事実はない」と反論。権利者からの削除要請にはすべて、そのつど応じ、悪質なユーザーに対してはアカウントの停止・削除も含めた措置を講じてきたという。
JASRACからは2006年に具体的な削除要請を受け、「即時対応した」が、その後は「2年間の間、具体的な削除要請は一切なかったため、削除などの措置は行わなかった」という(「削除要請、拒否したことはない」 JASRACに提訴された「TVブレイク」が反論)。
訴状に添付された証拠書類で指摘された権利侵害動画2万613件については、「JASRACによる具体的な削除要請と受け取り、早速、削除作業に取り掛かる」としている。
小規模ネット企業には難しい常時監視
JASRACからは2007年6月・8月・12月に文書が届き、「権利侵害作品を送信可能化(公開))する前に排除する具体的な対策」を要求された。
これに対し、大手サイトでも具体的な対策がされていない現状で、それ以上の対策を求められるのは資金的・人的にも「非現実的」──と同社は回答してきた。小企業としては常時監視態勢を構築・運営するコストを負担する体力がない上、コンテンツ企業がYouTubeなどへの投稿を黙認している面もある中、「運営者に膨大な投資を強いることには疑問を感じざるをえない」とも指摘する。
JASRACとの包括契約については、CD音源やプロモーションビデオが使えないなど、「ファンが望む事が盛り込んである内容とは必ずしも言えない」が、前向きに検討した。だが契約の前提として常時監視態勢の構築・運営という「非現実的な契約締結の前提」が求められるため、包括契約を結ぶことができない、という立場だ。
利用者が安心して音楽を楽しめる環境の提供は望んでいるが、JASRACとの話し合いの機会を与えられずに提訴され、「大変残念だと言わざるをえない」としている。TVブレイクは「個人放送局」として、「ユーザーが主役のサイト作り」を目指してきた。「大事にすべきはユーザーであって、権利者の顔色ではない」。今後もユーザーを第一に考えてサービスを続けるとしている。
社長個人も訴えられる
訴訟は今崎社長個人も対象。「同社は今崎社長の個人会社であり、社長は活動のすべてを支配しているから、TVブレイクのサービスは今崎社長の行為ということができる」ためだという。
今崎社長は「事業としての責任を負うのが代表取締役であり、会社の大小で責任を負ったり、負わなかったりする訳はない」として「弱いものいじめ」と批判している。
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