「タダが当たり前」の時代は終わる? カフェスタが「お金払って」と呼び掛けた理由(2/2 ページ)
「無料でどうぞ、という時代は終わる。無料で続くサービスというのは、何かの広告塔でもない限り、経済原則上ありえない。カフェスタのサービスにコーヒー1杯分ぐらいの価値を感じてくれるなら、月額315円(パスポート会員の会費)ほど支払って一緒にサービスの満足度を上げよう、と考えてもらえないだろうか」
変なプライドより「一緒に作っていこう」
そんな考えを示すため同社は、スタッフがブログで実名を出して運営の現状を正直に話し、ユーザーに「サービス維持のためにお金を使ってください」と訴えかけるという手段を選んだ。
「変なプライドを持っていても仕方がない。当社とユーザーは対等で、お金を払えと強制できる立場でもない。素直に現状を伝えて『一緒にもっといいものにしていこう』と呼び掛け、ユーザーにも考えてほしかった」
この呼び掛けに反応し、有料会員になったり、アバターを購入してくれたユーザーもいた。「小学生ユーザーの○○ちゃんのために、会費を払ってあげたい」――そんなユーザーもいたという。現在の有料会員数は1000人程度。これが3~5万人まで増えれば、広告に頼らず安定して運営していけるとみる。
その一方で「少しでもお金を集めてからサービスをやめるつもりでは」と疑ったり、反発して退会したユーザーもいた。「いろんな人がいろんなことを言うが、反応してくれるということは無関心ではない、ということ。全員が『いらない』というならば閉鎖するしかないが、支援の温かい言葉もたくさんいただいている」
来年1月には完全有料化する計画だ。月額100円程度で1カ月間利用できるチケットを発行する――といった形を検討。支払いがなくてもデータは保持し、また使いたくなった時に支払えば利用を再開できる、という仕組みだ。
「金もうけしようとは思っていない。サービスを維持し、より良いものにしたい」と上澤社長は繰り返す。「サイトを愛してくれる人とともに進みたい。『100円でも高い、それだけの価値がない』と思うユーザーにはもう何も言えない。ほかのサービスを使ってもらうしかない」
完全有料化すれば、サービス提供側もユーザー側も意識が変わるだろうと期待する。「もちろん無料でもきちんと運営しているのだが、有料と思えば作り手の意識も違う。ユーザーももっと誇りを持てるだろう」
ユーザーが選ぶ時代に
上澤社長は、今後SNSが専門分化していくとみている。「時代は変わっている。ユーザーの趣味が多様化し、専門特化していく時代。誰もが行くmixiのようなサイトではなく、お客が好みに応じて選択するニッチなサイトの時代が来る。選ぶのははわれわれではなくユーザーだ」
カフェスタは「20代後半~40代が集まるアバターコミュニケーションの場」という個性を打ち出し、そういった場を求める人に選んでもらって対価を得ながら運営していく、という方向にこぎ出した。「アバターで夢を見ようという人と一緒にやっていきたい」
今後は、コストをかけて機能を改善していく予定だ。「ニコニコ動画」「YouTube」「zoome」といった動画サイトの動画をはり付けられるようにしたり、チャット機能を強化するといったことを計画している。
「ワクワクドキドキするようなストーリーを作り、エンターテインメント性を強化していきたい。ディズニーランドのように『夢』を与えて、有料でも何度も来てもらえる場にしたい」
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