Windows 7でタッチPCは“脱ニッチ”なるか?
ニューヨークで開かれたWindows 7の発売イベントにおいて、わたしはMicrosoftがパートナーメーカー各社のマルチタッチ対応製品群をひどく熱心に売り込んでいることに驚かされた。もちろん、Windows 7のマルチタッチ機能は長らく開発が進められてきた注目の技術ではある。だがこれほど多くのメーカーのタッチスクリーン製品が一堂に会するのを見るのは、これが初めてだった。
10月23日にFox Newsの番組でも話したとおり、タッチスクリーン自体はかなり前から各種のニッチ業界に存在しているのだが、今回のようにMicrosoftやメーカー各社がこぞって消費者向け製品にタッチスクリーン機能を移植しようとしていることにわたしは幾分とまどいも感じている。これはAppleのiPhoneとそのマルチタッチスクリーンが人気を博していることへの対応策なのだろうか? Microsoftのスティーブ・バルマーCEOはある晴れた日の朝、目を覚まして、消費者市場における次なるトレンドはタッチスクリーンだと突然決断したのだろうか?
(Microsoftはこれまでにもタッチスクリーン製品を手掛けているが、いずれの試みも広範な支持を得るには至らなかった。Microsoftはマルチタッチを採用したテーブル型PC「Microsoft Surface」をホテルや店舗向けに発売し、Hewlett-Packard(HP)などパートナー各社もタッチスクリーン機能を備えたVista搭載PCを発売したが、いずれも企業ユーザーや一般消費者に広く支持される結果にはつながらなかった。)
Windows 7が発売されてすぐに、わたしはWindows製品管理担当ジェネラルマネジャーのマイケル・イバッラ氏に「消費者市場でタッチスクリーンを推進するというMicrosoftの決断の背景には何があるのか」を尋ねてみた。
同氏の答えは、「医療などの垂直業界では以前からタッチスクリーンが使われている。われわれは12年前、この機能を消費者市場に広めるためにはどうすべきかを考え始めた」というものだった。
Microsoftはその間ずっとタッチスクリーン技術の革新に取り組み続け、そしてようやくハードウェアが追い付いたのだという。「ハードウェアの開発とソフトウェアの開発がちょうどよいタイミングで調和し、Windows 7のネイティブサポートを備えたタッチスクリーン製品がその相乗効果として誕生したというわけだ」と同氏。そしてその結果、LenovoのT400シリーズやX200 Tabletシリーズなど、マルチタッチ機能を搭載したノートPCが市場に投入されるようになった。
だがこうして長い年月をかけてマルチタッチ機能向けに最適化されたOSの開発が進められてきたにもかかわらず、Windows 7のマルチタッチ機能の実際の用途は、少なくとも今の状態では、非常に限られている。確かに、各種のメニューやボタンを軽くたたくだけでデスクトップを操作でき、その反応の良さは広告のとおり、本物だ(わたしが作成したeWEEKの動画もご覧いただきたい)。そして開発段階はまちまちながら、Microsoftとパートナー企業は既に数十種類の対応アプリケーションを用意している。ただしそうしたプログラムがどれほど強力かは疑問だ。用意されているのは地図アプリケーションが幾つかとちょっとしたゲームが幾つか、そのほかにマルチメディア機能が幾つか。まあそんなところだ。
発売イベントでのMicrosoft幹部の話によると、一部のマルチタッチ機能は現在開発中のOffice 2010に統合される見通しという。ただし、それ以上の詳細については教えてもらえなかった。
今後マルチタッチ機能対応のアプリケーションが増加し、その用途がある程度急進的に広がらないことには、タッチスクリーン技術はこの先も一般消費者にとっては「目新しい機能」のままなのではないかとわたしは危惧している。確かにクールな機能ではあるが、日常の業務や遊びに不可欠なものではないからだ。もっともわたしが一番知りたいのは、皆さんがどう感じているかだ。皆さんにとって、タッチスクリーンPCはどうしても手に入れたい存在だろうか? もし手に入れたら、それをどのような用途に使うだろうか?
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
6
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
7
「推しがそばにいる日常」を ソニー、5万円台の裸眼3Dディスプレイ アニメ公式コンテンツに対応
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
10
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR