デジタルフィルターでひと味違う写真を手軽に楽しむ
「デジタルフィルター」使っていますか?
写真へトイカメラ風やジオラマ風、HDR(ハイダナミックレンジ)風などといった効果を付加する、デジタルフィルター搭載のデジタルカメラが数多く出回るようになってきました。さらにデジタルカメラ以外にも、スマートフォンのデジタルフィルターアプリを利用した写真も、SNSやブログなども目にすることも多くなり、一般に浸透してきたと感じるようになりました。
このデジタルフィルターについて、今回から5回にわたって取り上げます。デジタルフィルターの使い方や、デジタルフィルター搭載のカメラ選びの参考になれば幸いです。第1回目の今回は、「デジタルフィルターとは何なのか」を歴史を振り返ることで、デジタルフィルターにもっと愛着をもってもらえればと思います。
手間が掛かっていた写真効果
フィルムカメラ時代の写真表現として、例えばプリントの「覆い焼き」や、フィルムの現像時に通常とは違った方法を用いることで発色を変える「クロスプロセス」など、さまざまな技法が用いられてきました。ですが、これらの技法は写真に対する技術が必要で、誰で手軽に行うことはできませんでした。ある意味、プロの写真家やハイアマチュアの「聖域」でした。
1990年代初頭に、LOMO LC-AやHOLGAなどトイカメラを使用した個性的な写真が発表され、トイカメラがブームとなりました。筆者もLOMO LC-Aやさまざまなトイカメラを購入して楽しんだ思い出があります。トイカメラの楽しさは、おおざっぱなピント合わせと、周辺減光、発色、露出などさまざまな「偶然」が引き起こす効果にあります。そして現像するまでどんな風に写っているのか判らない、フィルムカメラのワクワク感が人々を夢中にさせたのです。
ただし、それは楽しいことばかりだけはなく、「トイ」と呼ばれるようにそれらは一般のカメラに比べると作りが荒く、写りに個体差がある、壊れやすい、など一筋縄ではいかないものでもありました。中にはトンネル効果と呼ばれる周辺減光が一切ない個体もあり、「カメラとしては正しいにも関わらずトイカメラとしてはハズレ」と呼ばれることもありました。
1990年代後半から2000年代初期に、高性能のフィルムスキャナーやメガピクセルを超えるデジタルカメラが一般的になってくると、先達の苦労や面倒な機材運用をせずに画像編集ソフトを使用することで、今までではできなかった独創的な効果を得ることができるようになりました。画像編集ソフトの編集パラメーターを、プリセットとして保存することで、読み込んだ画像に対して簡単に全く同じ効果を掛けられることができる点が、まさにデジタルフィルターの先駆けといっても良いかも知れません。
とはいえこれらを行うためには、カメラとPCスキルと、取り込みや編集に時間が必要なため、まだまだ一般的ではありませんでした。
トイカメラ風の写真は、のちの「デジタルフィルター」搭載デジタルカメラの登場までは、トイカメラを使って撮影することが当たり前で、一番楽な方法だったのです。
デジタルフィルターのはじまり
2008年12月に、オリンパスがアートフィルターを搭載した「E-620」を発売しました。搭載された「アートフィルター」は、ポップアート、ファンタジックフォーカス、デイドリーム、ライトトーン、ラフモノクローム、トイフォトの6種類。発売当時、カメラにこのような機能を入れるのはどうかと思ったりもしたものですが、実際に使ってみると見慣れた景色も味のある写真となり、お手軽だがこの機能をしっかりと使いこなすこと、つまりアートフィルターの選び方が撮影テクニックの一つになると確信しました。
それから3年、2011年発売のオリンパスの最新機種「E-P3」のアートフィルターは10種類に増え、さらに各フィルターに対するバリエーションが追加されたことで、表現方法としてもより一層個性が出せるようになっています。
トイカメラの楽しさのひとつに偶然性があると書きましたが、必ずしも良い効果が得られるとは限らず、微妙な仕上がりになることも多いのですが、効果をすぐに確認できるのは、デジタルカメラによるデジタルフィルターの良さといえます。いままでは写真やPCのスキルの必要で作業や手間の掛かっていた各種処理が、デジタルフィルター搭載のカメラさえあれば誰でも手軽に楽しめるのです。画期的なことです。
こんなに手軽に撮影ができると言うことを踏まえた上で、今まで以上にデジタルフィルターの活用と撮影を楽しんで欲しいと思います。次回以降は、デジタルフィルターの違いや、代表的な機種の作例などを順次紹介していきます。
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