藤本美貴さんらも注目
情報管理を徹底 安全でおいしいあか毛和牛を消費者に!
福島第一原子力発電所事故による放射能もれなどの影響もあって、かつてないほど食の安心、安全に対する関心が高まっている。
日本では、2000年代初頭に発生したBSE(牛海綿状脳症)問題をきっかけに食品トレーサビリティの導入が本格化。生産農家から食品メーカー、流通業者などの取り組みによって、食品の生産地や鮮度などの情報をより細かく管理できるようになった。例えば、最近では「顔が見える野菜」など、作り手のプロフィールが掲載された商品もごく当たり前になった。
そうした中、和牛に関するトレーサビリティの仕組みとして、2011年11月に一般財団法人 全日本あか毛和牛協会が提供を開始したのが「あか毛和牛なび」である。これは、日本全国に流通しているあか毛和牛(褐毛和種)に関する情報ポータルといえるものだ。
牛のトレーサビリティについて、従来も個々の農家や企業、エリアで限定されたブランド牛の飼育や飼料の情報を提供するシステムはあったが、1つの和牛種が生産地を越えて管理され、育て方や飼料の与え方などが把握できるようなシステムはなかった。
あか毛和牛なびでは、個体識別番号によって、一頭ごとの評価ポイントや飼育方法、飼育情報などをデータベース化したほか、生産者である畜産農家の取り組みやこだわりといった情報も公開することで、消費者がより安心して牛肉を食べられる環境を作った。具体的には、独立行政法人 家畜改良センターが提供する牛の異動情報(出生から屠畜まで)と、赤牛登録協会が所有するあか毛和牛の血統情報を組み合わせて新たなデータベースを構築した。畜産農家のプロフィールページは独自にコンテンツを収集、作成した。
システム構築期間は4カ月間だったが、初期のシステム設計段階に多くの時間を費やしたほか、Oracle Databaseを利用しているため専門的なスキルが必要で苦労したと全日本あか毛和牛協会の関係者は振り返る。
なお、個別識別番号とは、一頭の牛を識別・管理し、異動履歴を把握するための生涯唯一の番号で、全国のすべての牛は出生と同時に耳に10桁の個体識別番号が書かれたタグを装着することとなっている。この番号は牛が食肉としてスーパーマーケットなどに流通する段階まで明記されているため、一般消費者でも牛に関するデータを追跡できる。この異動情報はすべて家畜改良センターのデータベースに格納されている。
また、あか毛和牛なびのリリースに併せて、全日本あか毛和牛協会では、あか毛和牛に関する独自の評価基準を設定した。全日本あか毛和牛協会が認定するあか毛和牛生産農家で生産されたものであること、出荷月齢が24カ月以上であること、枝肉重量が去勢牛400キログラム以上、雌牛360キログラム以上であることを基本条件に、肉質と、給与飼料および飼育方法によって、4段階で評価する。あか毛和牛なびでは、この格付け情報も閲覧できる。
脂肪の量だけが牛肉ではない
こうした取り組みの背景には、牛に対する市場評価が関係する。一般的に、牛肉の価格は霜降りの度合いで決まる。BMS(牛脂肪交雑基準)の平均値を見ると、黒毛和牛は脂肪交雑が「5.7」、あか毛和牛は「3.2」となっており(BMSは12段階に分かれていて、数字が大きいほど霜降りの割合が多い)、あか毛和牛は黒毛和牛に比べて高値がつきにくいというのがマーケットの現状である。
そのため、あか毛和牛の生産者が黒毛和牛に転向する動きも多く、全体の飼育頭数が減少している。実際、国内での飼養頭数は2万5000頭を下回り、180万頭を超える黒毛和牛との差は広がるばかりである。
「“メタボ”な牛が価値の基準になっている。脂肪による判断ではなく、ヘルシーで美味しい牛が高く評価されるべきだ」と全日本あか毛和牛協会 最高顧問で、熊本県知事の蒲島郁夫氏は指摘する。
あか毛和牛の特徴は、余分な脂肪がない適度な霜降りと、うま味成分を含むたんぱく質が豊富な赤身にある。11月15日に全日本あか毛和牛協会が開催した発表会では、タレントの藤本美貴さんと、元プロボクサーの内藤大助さんがゲストとして登場し、あか毛和牛を試食した。
藤本さんは「赤身は固いというイメージがあったが、とても柔らかくて食べやすい。女性として(食べ物が)ヘルシーかどうかは気になるところ。ヘルシーでおいしいのは嬉しい」と笑顔で話した。内藤さんは「あか毛和牛であれば、(体重管理や栄養バランスに気を遣う)ボクサーでもおいしく食べられるはず」と感想を述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
6
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
7
「推しがそばにいる日常」を ソニー、5万円台の裸眼3Dディスプレイ アニメ公式コンテンツに対応
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
10
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR