ボイジャー1号、太陽圏脱出を確認 恒星間空間を航行中
米航空宇宙局(NASA)は9月12日(現地時間)、1977年に打ち上げた探査船「ボイジャー1号」が太陽圏(heliosphere)を昨年8月に脱出したことを確認したと発表した。恒星間空間に到達した初の人工物となる。
ボイジャー1号は2004年、太陽風が星間物質との相互作用で減速する「末端衝撃波面」を通過。現在は地球から190億キロの地点を秒速約17キロで航行している。
アイオワ大学の研究チームがデータを調べたところ、ボイジャー1号周辺のプラズマ密度は、太陽圏の外側の層で検知した密度の40倍に上っていた。太陽風と星間物質が混ざり合う「ヘリオポーズ」を脱し、恒星間空間に到達したと考えられるという。
ボイジャー計画の科学者であるエドワード・ストーン元JPL所長は、分析結果について「これは恒星間空間への人類の歴史的跳躍だと信じている」と述べている。研究結果は米科学誌「Science」に掲載された。
データの分析から、ボイジャー1号が恒星間空間に到達したのは2012年8月25日だったと特定した。太陽から183億キロの距離だった。
ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、1979年に最接近した木星表面の鮮明な写真を送信するなど、ボイジャー2号とともにさまざまなデータを送った。1990年2月14日、最後の写真として撮影された「太陽系の家族写真」には6惑星が写っている。
原子力電池で動作しているが、NASAによると2020年ごろから限界に達し始め、科学的観測機器を1つずつオフにする作業を開始する。最後の観測機器は25年ごろまで動作し、工学的データはさらにその後数年は取得できると考えられている。
ボイジャー2号は1号より34億キロ太陽に近い位置を航行中で、まだ太陽圏を脱していないと考えられている。
ボイジャー1号はへびつかい座の方向に向かって航行しており、約3万8000年後には1.7光年の位置にあるこぐま座の星に近づくという。
NASAによると、ボイジャー1号と2号にかかったコストは9月の時点で約9億8800万ドルだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR