「キリ番」も──1500万ユーザー「LINE PLAY」の世界は“ホームページ文化” スマホ時代の「ホーム」目指す
LINEの提供するアバターサービス「LINE PLAY」のユーザー数が1500万人を突破した。スマートフォンに特化したアバターサービスは世界でもほとんどなく、海外ユーザー比率が約半数、5カ国語に対応するなど、人気は国内にとどまらない。最大20人でチャットが楽しめる「スクエア」機能も追加するなどメッセージアプリ「LINE」と異なるアプローチで攻める。
4月に追加された大規模マルチチャット機能「スクエア」について、佐々木大輔執行役員は「サービス開始当初から絶対に入れたかったもの。LINE PLAYの表現したい世界がやっと示せた」と話す。最大20人までのアバターチャットをスマートフォンの小さな画面でスムーズに動作させるために、1年以上かけて改良を重ねており、満を持してのリリースとなった。反応も上々で、ログインしたユーザーの6割がスクエアにアクセスしているという。
これまでもアバターでマルチチャットできるサービス自体はあったが、ほぼすべてがPC向け。いつでも手軽に起動できるスマホ特化型サービスいうことで、1人でお昼ごはんを食べながら、電車で移動中に、寝る前の手持ち無沙汰な時間に――など、10~15分ほどのスキマ時間でちょっとしたコミュニケーションを楽しんでいるケースも多いようだ。
広場に集まる形式をとっており、公園を模した「パーク」、喫茶店のような内装の「カフェ」の2つのフィールドを用意する。機能は同じだが、人気があるのは圧倒的に「パーク」だという。「野外で開放的……というのもアプリの中の話なのでちょっと不思議ですが、ベンチに座ったりお花見をしたり、隣の人に『はじめまして』が言いやすい空間なのかもしれません」(佐々木さん)
その言葉通り、スクエアは基本的には一期一会を楽しむ空間だ。個人にあてるメールや電話、友達同士で行うグループチャットと異なり、共通点は同じ時間に同じ場所に集まっているということだけ。
「SNSでリアルの知り合いとつながるのが当たり前な今、恐る恐る文字でコミュニケーションを始めるのは逆に新鮮。『はじめまして』『そのアイテムかわいいですね』『何してる人なんですか?』――なんだかこの感じ、懐かしくないですか?」(佐々木さん)
SNS登場する前、1990年代後半から2000年代初頭ごろの掲示板やチャットをはじめとした“ホームページ”時代を継承している感覚があるという。高校生や主婦を始め、普段PCはほとんど使わず、スマホで初めてインターネットに触れたようなユーザーも多い中、マイページの訪問者カウンターの数字で「キリ番」を踏んだ人に加工した画像をプレゼントする文化が自然発生的に生まれているなど、「既視感がある文化が多い」(佐々木さん)と話す。
昨年11月、リリースから1周年を期にアプリカテゴリを「ゲーム」から「ソーシャルネットワーキング」に改めた。当初は「アバターを着せ替えるゲーム」と位置付けていたが、ユーザーの動向を見るとシンプルな「ダイアリー」「ラウンジチャット」のニーズが高かったため、コミュニケーション機能の強化に舵を切ったからだ。ユーザーが求めているものは結局シンプルでベタなつながる機能――LINE PLAYの目指す方向が決まった。
スクエアの前にリリースした機能の1つが、訪問者があしあとをつける感覚で一言書き込んでいく「ゲストブック」。開発陣からは「もう少し違う名前にした方が」という声もあったそうだが、「いろいろ考えたんですけど、やっぱりゲストブックなんですよね、“ゲスブ”。懐かしいし、親しみやすくて、ちょっとダサい。今の高校生も絶対同じように略すはず」と笑う。
他のアバターサービスよりも、スマホ向けゲームを競合として意識する。ユーザーの接触時間の奪い合いは激しく、時には社内の別プロダクトを競合に感じることもある。LINE PLAYの魅力は、目的やゴールのなさゆえに、時間が経っても飽きがこないこと。「ゲームにひとしきり熱中したあと、ふらっとアクセスすればいつでもスクエアに誰かいる。いつでも戻ってこられるような、まさに“ホーム”に育てたい」(佐々木さん)
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