「VOCALOID4」が得た表現力、使いやすさとは──発表会を振り返る(2/5 ページ)
ピッチレンダリングやピッチスナップモード
新たなパラメータが増えることで、ボカロPにとってはいわゆる「調教」にかけるべき箇所も増える。それもあってか、ヤマハはVOCALOID4で、ボカロPの制作負荷を下げるための工夫をいくつか用意している。
その1つがピッチレンダリング。これは、VOCALOID4 EditorとVOCALOID4 Editor for Cubaseに搭載された新機能で、音符ごとのピッチ(音の高さ)のつながり具合や、ビブラートの振幅がメイン画面にビジュアル表示されるため、いちいち再生したり、プロパティを表示させたりしなくてもよくなり、作業効率が向上する。待ち望まれていた機能の1つだ。
さらに、VOCALOID2にはあったがVOCALOID3では省かれた機能である、キーボードからのリアルタイム入力機能が一部復活した。ただし、ポケット初音ミクやMIKU STOMPのようにリアルタイムで歌唱させることを目的としたものではなく、あくまでもメロディーラインの入力を簡単にするためのものだ。
VOCALOID4 Editor for Cubaseのリアルタイムモードにすると、子音を先行して発音させるために設定されている遅延がなくなり、通常の音源のようにメロディーを入力し、後で歌詞を入力することができる。「あああー」「らららー」といったように、あ行、ら行のどちらかで歌ってくれる。メロディーラインはMIDIキーボードで入力し、微調整はボカキューで行うことで、作業をスピーディーに行うことが可能となる。
もう1つ、「ピッチスナップモード」というものが用意されている。これはPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅで多用されている、Auto-Tuneなどのピッチモジュレーションエフェクトの効果を出すことができるものだ。VOCALOIDでは音符のつなぎを自然にするが、これをオフにすることで、ピッチのつながりが階段状になり、ロボットのような「ケロケロボイス」が可能となる。
従来はいったんVOCALOIDからオーディオに変換してピッチエフェクトをかける必要があったが、VOCALOID編集から離れずにその効果を出せる。また、Cubase内蔵のピッチモジュレーションエフェクトであるVariAudioは上位エディションにしか搭載されておらず、他の音楽制作ソフトでもオプションのものが多い。なお、VOCALOID4 Editor for Cubaseのパッケージ版にはCubase 7のコンパクト版「Cubase AI」がバンドルされる。
このように、今回のバージョンアップでは「時間のかかっていたこと、何ステップもかかっていたことがワンステップですむ」ところが制作者サイドにとってポイントが高い。省力化、時間短縮された部分を、クロスシンセシスやグロウルなどの表現力増強に割り当てることが可能となるわけだ。
VOCALOID4 Editor(Windowsのみ)、VOCALOID 4 Editor for Cubase(Windows、Mac両対応)、そしてVOCALOID 4に対応した女声ライブラリの「VY1V4」(Windows、Mac両対応)は12月下旬発売。オープンプライス。それぞれの従来製品からの優待アップグレードは5400円(税込)で、VOCALOIDオンラインストアのVOCALOID STOREで提供される。
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