ネット検索は「自分は賢い」と錯覚させる 米研究
ネットによる情報検索は、実際以上に自分が賢いと錯覚させる──米国の研究者によるこんな研究結果が米心理学会の専門誌に掲載された。検索ユーザーはネット上の知識と自分の知識を混同してしまう傾向があり、研究者は「正確な知識を身につけるのは難しいことだが、ネットはそれをさらに困難にしている」という。
ある実験では、対象者をネット検索を使ってもいいグループとそうではないグループに分け、「ジッパーはどういう仕組み?」といった4つの質問に答えてもらった。その上で、4つの質問とは無関係な別の質問(「曇りの夜はなぜ暖かい?」など)を示したところ、ネット検索を使ってもいいグループは、そうではないグループに比べ「自分はその質問に答える能力がある」と考える傾向にあったという。
検索を使えるグループは、正確な回答が見つからないようなとても難しい質問や、Googleのフィルターによって回答が見つからないようになっている質問を検索した場合でさえ、自分の知識は十分にあると感じる傾向にあった。「“検索モード”時の認知作用はとても強力で、検索で何も見つからなかった時でさえ、人々は自分を賢く感じているようだ」と研究者は述べている。
「質問に答えられないということは、自分がその答えを知らないから、というのは明らかだ。だがインターネットでは、『自分が知っていること』と、『自分が知っていると思っていること』の線引きがあいまいになってしまう」
スマートフォンの普及で常にネット環境が手元にある現在、この問題は深刻化している可能性があるという。また早くからネットに親しんでいる子どもへの影響も懸念されるという。
こうした傾向が、多くの利害関係が存在する政治などの分野に持ち込まれると危険だとも警告する。「決断が大きな結果をもたらすようなケースでは、自分自身が持つ知識を見分け、本当は知らないことについて知っているかのように考えないことが重要になるだろう」としている。
研究はイェール大学のマシュー・フィッシャー氏らが行い、成果は「Journal of Experimental Psychology」に掲載された。
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