パイオニア、10万円を切るドルビーアトモス対応AVアンプ「VSA-1130」を発表――性能を底上げしたエントリー機「VSA-830」も
オンキヨー&パイオニアは5月14日、パイオニアブランドのAVアンプ新製品2機種を発表した。いずれも5月下旬に発売する予定で、希望小売価格は7.2chの「VSA-1130」が9万2000円、5.2chの「VSA-830」は6万円。
「VSA-1130」は、同社として初めて10万円を切る価格帯でDolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したAVアンプとなる。スピーカー構成は最低限の5.2.2chとなるが、新たに天井スピーカーの代わりに天井の反射を利用するイネーブルドスピーカーにも対応し、ドルビーアトモス導入のハードルを下げた。
ドルビーアトモスへの対応に合わせ、今まで上位機のSC-LXシリーズだけに採用されていた音場補正技術「MCACC Pro」を初めて「VSA-1130」に搭載したこともトピック。音場補正技術の精度アップとフルバンドフェイズコントロール、独自のバスマネジメントでオブジェクトサラウンドを最適な音場で再生するという。
「ドルビーアトモスでイネーブルドスピーカーを使用する場合、中高域に対して指向性があまりない低域は通常サブウーファーに一括で振り分けられる。しかし180Hz付近の“指向性が感じられる音”までサブウーファーから出力されることになってしまい、予想外の場所から音が回ってくるようなことが起こる」(同社)。このためパイオニアでは、イネーブルドスピーカーに入る低域を180Hz付近で分割し、重低音はサブウーファーに、指向性のある低域はフロントスピーカーに割り振ることで正確なイメージ再現を可能にしたという。「ドルビーアトモスは、やはり低域がしっかりしていないと楽しめない」(同社)。
もう1つのポイントは、正確な距離設定だ。従来の音場補正技術ではイネーブルドスピーカーからの直接距離を測定していたが、それでは天井に反射して届く場合との距離的な誤差が生まれ、音の遅延につながってしまう。このためMCACC Proによるイネーブルドスピーカーの距離測定を行うとき、反射を考慮した測定機能を実装した。「ドルビーアトモス対応コンテンツのイメージを損なわない高い再現性を確保できた」。
アンプ部や電源部といったハードウェアには、SCシリーズで培った技術とノウハウを投入した。例えば新型トランスは、銀箔シールドを使って漏洩磁束の低減を図っている。またデジタル回路とアナログ回路に独立した電源を用意。回路レイアウトやパターンも見直し、ノイズレベルを抑える。DACにはESSの「ES9006S」を採用。オーディオ専用コンデンサーやルビコンと共同開発した薄膜高分子積層コンデンサー「PML MUコンデンサー」、新形状のインシュレーターなど、部材の選定にも力を入れた。
Wi-FiとBluetoothの両方を内蔵したこともパイオニアブランドのAVアンプとしては初だ。Wi-Fiは5GHz帯にも対応し、ネットワークオーディオ再生時の接続安定性を確保した(IEEE 802.11a/b/g/n)。同時にノイズ抑制を目的としてWi-Fi、Bluetoothはともにオフにできる設定も用意している。
ハイレゾ音源は、最大192kHz/24bitまで対応。DSDも2.8MHzはダイレクト再生、5.6MHzはPCM変換で再生できる。また5.1chまでのマルチチャンネル再生や広範囲なフォーマットでのギャップレス再生などに対応していることも特徴だ。
HDMIは入力7系統(前面1)、出力2系統。4Kパススルー&アップスケーリングはもちろん、新たにHDCP 2.2とBlu-ray Discプレイヤーで開発したアップスケール技術「Super Resolution」をサポートしている。
性能を底上げしたエントリー機「VSA-830」
一方の「VSA-830」は各チャンネル160ワット出力(実用最大出力)の5.2ch対応モデル。ドルビーアトモスには対応しないが、自動音場補正機能が「Advanced MCACC」に昇格したほか、デュアルバンドのWi-Fi、Bluetoothサポートなどが新しい。
ハイレゾ音源再生は192kHz/24bitまでのFLAC、WAV、AIFF、ALACを再生可能。新たにDSD 2.8MHzをPCM変換で再生できるようになったほか、5.1chのWAV/FLAC再生もサポートした。
HDMIは6入力1出力。4Kパススルー&4Kアップスケーリング(Super Resolution)に加え、新たにHDCP2.2に対応する。
このほか、GUIの改善や新アプリ「Start-up Navi」の提供など、広範なアップデートが行われた「VSA-1130」と「VSA-830」。オンキヨー&パイオニアのシアター&オーディオ事業部マーケティング部の佐藤誠氏は、「昨年は“クラスを超えた”と訴求したが、今年は“1つ上のクラス”を実現したAVアンプ」と胸を張った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
6
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
7
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
-
8
Google DeepMind、ワールドモデル「Genie 4」発表 音声や会話もリアルタイム生成、Geminiと連携
-
9
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
10
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR