毎日2万曲が「勝手に」生まれる――“ユーザーが自由すぎる”音楽コラボアプリ「nana」の狙い(2/3 ページ)
その1つが、有志のユーザーが審査員になって「本当にうまい歌」を決める「ガチ歌ランキングバトル」という企画。「アプリ公開当初は運営側でランキング機能を提供していたが、再生数や拍手の数に応じて機械的にランク付けしていたため、どうしても“コミュニケーション上手”な人が上位になってしまって……。ある時『こんなのランキングじゃない』と、ユーザーたちでうまい歌を決める企画が自然発生的に始まった」(文原CEO)
ほかにも1つの歌をワンフレーズずつ歌い継いでいく「renga」(連歌)や、2チームに分かれて拍手の数を競う「nana紅白歌合戦」など、ユーザー発の企画が続々と誕生。さらには、声優オーディション風にアニメキャラになりきって質問に答える「声面接」、インタビュー形式の質問に次々と答えていく「50問50答」など、音楽とは無関係な楽しみ方まで生まれ続けている。
「ユーザー発の企画を盛り上げるために意識していることは特にない」と文原CEOは平然と言う。「サービス開始当初から、勝手に企画を立ち上げて盛り上がろうとしてくれるユーザーがいた。私たち自身もユーザーと一緒になって曲やコメントを投稿し続けてきたので、『運営も音楽が好きなんだ』『nanaを存続させるために盛り上げなきゃ』と思ってくれているのでは」とnana musicの安西結さんは話す。
さらに「サービスを始めるとすぐに『これはどうやって稼ぐんだ。自分なりに考えてみたから』とA4用紙でビジネスプランを持ってきてくれるユーザーもいた」(文原CEO)という。「ユーザーがオフィスに遊びに来てくれて、そこで一緒にセッションしたりとか。そういう動きが本当に自然に生まれ続けている」。
リアルでコーラスグループ結成 ユーザー同士で結婚も
nanaユーザーの自由な活動はネットを飛び出し、リアルの世界にまで進出している。
「nanaで知り合ったのをきっかけに、一緒に音楽コンサートを観に行ったり、スタジオに入るような仲間ができることもある」と文原CEO。例えば、nana上でのコラボをきっかけに生まれた女性4人のコーラスグループ「nalienna」もその1つだ。グループ名は「nana」と「lien」(フランス語で「絆」)を組み合わせた造語で、「nanaで結ばれた絆」という意味が込められているという。
さらに、nanaでコラボレーションしているうちに仲が深まり、結婚した男女のユーザーもいるという。「13年ごろに男女で一緒にオフィスに来てくれたユーザーがいて。住んでいる地域もバラバラだったので『うん?』と思っていたら、『実は付き合っていまして』と(笑)。その1年後に『結婚しました』と報告があって、さすがにその時はびっくりしましたね」と安西さんは振り返る。
「一緒に歌ったり音楽を演奏するということは、すごく心理的に近づく部分がある」と文原CEO。「ユーザーから『サークルっぽいね』と言われることも多いが、nanaと似ていると個人的に思うのは“代々木公園”。みんなでギターと飲み物を持ち寄って自由にセッションしたり……。そこでできた音源の良しあしよりも、コミュニケーションが生まれることが大事だと思っている」。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
9
タイムズカー、お見舞金3000円の算定基準は? パーク24に聞いた
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR