情報処理学会、「コンピュータ将棋プロジェクト」終了宣言 「事実上目的を達成した」
情報処理学会が2010年から進めていたトップのプロ棋士に勝つコンピュータ将棋の実現を目指すプロジェクト「コンピュータ将棋『あから』強化推進委員会」を終了すると宣言した。トッププロとの実力は互角で「統計的に勝ち越す可能性が高い」現状に、「事実上プロジェクトの目的を達成した」としている。
同学会の創立50周年を記念し、2010年にスタートした。同年4月に日本将棋連盟の米長邦雄会長(当時)に挑戦状を手渡し、10月にはコンピュータ将棋「あから2010」が清水市代女流王将(当時)との対局で勝利を収めた。以降もプロ棋士を相手に互角以上の結果を残し、15年時点でトップレベルの棋士に実力は「追い付いて」おり、「統計的に勝ち越す可能性が高い」との分析結果が出ているという。
現在まで、羽生善治四冠などトップレベルの棋士とのコンピュータ将棋の対戦は実現していないが、「事実上プロジェクトの目的を達成した」と判断し、プロジェクトの終了に至ったと説明している。
プロ棋士がコンピュータ将棋を検討の道具に使ったり、コンピュータ将棋が指した新手をプロ棋士が採用することも増えており、終了宣言は「対決が終わって、人間とコンピュータが協調するという本来の姿になりつつあることをうれしく思う。将棋を題材に得た成果を情報処理の技術一般に生かしていく」と結んでいる。
プロ棋士とコンピュータソフトの対局はドワンゴと日本将棋連盟主催の「電王戦」として12年から4度行われており、うち3回はコンピュータ側が勝ち越している。今年からは新棋戦「叡王戦」と名を変え、優勝したプロ棋士がトーナメントで勝ち抜いたコンピュータソフトと対局する形式に変更となった。
ドワンゴ側は「電王戦、叡王戦は情報処理学会とはまったく無関係であり、今回の宣言に関してはノーコメント。叡王戦は来年以降も続けていくことを前提に第1回を行ってる」とした。
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