ソフトバンク孫社長「次のパラダイムシフトはIoT」「ARMと英国の将来に賭けている」
「モバイルからIoT(Internet of Things)というパラダイムシフトの初期に投資したい」――ソフトバンクグループは7月18日(日本時間)、英国の半導体企業ARM Holdingsの買収を発表。孫正義社長が両社の戦略的合意について、英国で開いた記者会見で説明した。家電や自動車などさまざまな機器がネットにつながるIoT時代、ARMの半導体技術へのニーズが飛躍的に成長すると見通し、買収に踏み切ったという。
同社はARM株式の100%を約3兆3000億円(約240億ポンド)で取得し、ARMは上場を廃止する。非上場化により「次の四半期決算を心配しなくてよくなり、大きな投資ができる」とし、5年かけてエンジニアを倍増させる計画だ。
ARMはファブレスの半導体企業。自らはチップの製造・販売を行わず、技術のライセンス販売のみを行う。特にスマートフォンに強く、昨年販売されたスマホの95%にARMアーキテクチャのチップが採用されているという。
孫社長は英国が国民投票でEU離脱を決定したタイミングでの英国企業大型買収であることについて「ようやく買収のための資金が手に入ったためで、このチャンスを待っていたわけではない」「英国の複雑な状況を憂慮している声もあるが、自分はいまこそが投資のタイミングであると信じており、英国の将来に賭けている」と述べ、英国の従業員を次の5年で倍増し、独立性は保持すると強調した。
買収資金は全額、現金で確保。中国Alibaba Group Holding株やフィンランドSupercell株の売却により得た資金で70%をまかない、残りの30%はブリッジローンで調達する。
英国のEU離脱決定に伴うポンド安のタイミングでの買収となったが、為替相場は「必ずしも影響していない」という。「(株式売却により)お金が準備できたからこういう結果になった。ARMの株価はこの2週間で15%上がっており、ドルで換算するとほぼイコールだ。安く買おうと考えたわけではない」。
ARMについては「この10年間、ずっと尊敬してきた企業」であり、「大きなパラダイムシフトはインターネットからモバイルに移り、その次はIoT」「このパラダイムシフトの初期に投資をしたい」と、ARMをソフトバンクグループの一員とした理由に挙げた。
ARMの上場は廃止し、研究開発とエンジニア採用に集中的に投資する。「ARMはファブレス企業なのでエンジニアが資産。今こそがエンジニアを増やすタイミングだ」とし、優秀なエンジニアの採用に最大の投資を振り向けると話した。
ARMの将来性については、モバイルコンピューティングでは85%以上のシェアを持ち、これから伸びる自動運転分野での可能性、セキュリティへの注力、Cortex MaliなどのGPU製品も、これから伸びる要因として挙げた。
また、Sprintの経営立て直しに自信を持っているからこそ、ARM買収に乗り出したと説明した。
孫社長がARMのトップと接触し、買収交渉を始めたのは2週間前。わずか2週間で交渉がまとまったという。
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