太田智美がなんかやる

DMMの「超巨大デジタルアート展」がとにかくものすごく最高だった

 「歩いた道に花が咲く」――7月16日~8月31日、東京・台場の「お台場みんなの夢大陸2016」内で、超巨大なデジタルアート展「DMM.プラネッツ Art by teamLab」が開催されている。コンセプトは「見るアート」ではなく「中に入るアート」。その内覧会に行ってきた。

 DMM.com、チームラボ、フジテレビが共催しているこのデジタルアート展は、約3000平方メートルにも及ぶ真っ暗闇の展示空間を、歩き回りながら鑑賞する迷路のような展示会。中へ入ると、まず「Soft Black Hole」(ソフトブラックホール)と呼ばれる空間が現れる。

 このソフトブラックホールはチームラボが作成したアート作品で、広い空間に敷き詰められたビーズクッションの上に巨大な布がかけられており、その上を歩くというものだ。自分が歩けば足元のクッションは沈み、その周りのクッションが盛り上がって他者の歩行に影響を及ぼす。足は重くやわらかな世界へと吸い込まれ、前に進むにはたくさんのエネルギーを必要とする。他人の身体と自分の身体が互いに影響し合うという、社会の縮図のような作品だ。

アート展「DMM.プラネッツ Art by teamLab」 カオス状態のソフトブラックホール

 ソフトブラックホールを抜け出し、暗い通路を通って次の場所へ向かうと、途中、堅いはずの床がふにゃんとゆがむ。しばらく進むと、息をのむほどきらきらとした光の世界に迷い込む。――「ふぁぁあああああ!」。

 そこは文字通り、宝石箱のような世界。無数のLEDを空間いっぱいに並べ、宇宙空間を表現している。受け付け時にもらえるパスのバーコード経由でダウンロードできる専用アプリを起動すれば、手元のスマートフォン操作で、LEDでできた宇宙に惑星や星の流れを映し出すことも可能だ。

 不思議なのは、同じ空間に大勢いるはずの人たちが、なぜか光に隠れて見えなくなるということ。これがLEDの配置の影響なのか光の影響なのかは分からなかった。

 不思議で美しい空間を後に次に進むと、足にザラザラとしたものを一瞬感じる。その奥には乳白色の泉が広がっている。「さっきのザラザラは泉の周りの芝生をイメージしていたのかも……?」。そんなことを感じながら、本物の水でできた泉の中に入っていく。

 水面には、プロジェクターから映し出されたコイが優雅に泳いでいる。その中に私たち人間が入っていく。歩くと、その後ろには花が咲く。魚や草花は人間を迎え入れ、人間は自然と一体化していく。「身体ごとアートの中に入る」という表現がふさわしい世界だ。

歩いた後に花が咲く

 最後に、Yogibo(ヨギボー)の大きなビーズクッションが置かれた広いプラネタリウムがある。ここは真っ暗なドームの中で、座ったり身体を横にしたりしながら天井を見つめる。少し、目をつぶる。

 ――夢から覚めると、ふと我に返る。「ああ……夢だったのか」。


 実はこのプロジェクト、3社が綿密に立ち上げたプロジェクトと思いきや、きっかけはそうではないらしい。

 DMM.comの松栄立也社長はうれしそうにこう語る――「今回の展示は、たった1人の社員の夢を実現したものです。DMMは非常に高い成果を上げた社員に対して、報酬を与えています。今回の展示はその1つ。1人の社員の『こういう展示をやりたい』という夢を実現しました」。

 “夢”は夢ではなかった。実在する確かなものが、そこにはあった。

筆者プロフィール

 小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。

 大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは約1年半、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。

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ITmedia ニュースに配属された太田智美が、テクノロジーの力を信じてなんかやるという新連載。毎日るんるんしながら生きている。

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小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入し、小・中・高とピアノを専攻。大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業する。 その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し、「おところりん:ソーシャルネットワークにおける偶然性を用いた音楽生成(Otocororin: a chance music for social network systems) (http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KO40001001-00002010-0075.pdf?file_id=44931) 」を修士論文として提出。同研究は、情報処理学会 第12回「Internet and Operation Technology(IOT)」研究会において学生奨励賞を受賞。 同大学院を修了後、2011年にアイティメディア株式会社に入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営、記事執筆などに携わる。2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属される。これまでの代表作は「世の中やっぱり金でした 71万円の大金を積んで誰よりも早く『iPhone 6 Plus』の使い勝手を検証してみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/10/news139.html) 」「スケスケでまるみえじゃないですか! 人によっては透明に見えるドレスを作ってみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/27/news152.html) 」「あの日、Twitterのくじらが出なかったもう1つの理由 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1401/08/news082.html) 」「ゆとり世代が問う『好きなことをやって何が悪い!』(シリーズ) (http://www.itmedia.co.jp/keywords/yutori_generation.html) 」「はじめてのAI(連載) (http://www.itmedia.co.jp/news/series/5264/) 」など。 Twitter:@tb_bot (https://twitter.com/tb_bot)

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