太田智美がなんかやる
Wordで描かれた「おひなさま」がすごい 袴は「論理積ゲート」で、鼻は「頂点の編集」で描く
Appleが作ったプログラミング言語「Swift」を使ってiOSアプリを作るスーパークリエイター若宮正子さん(マーちゃん)のことを覚えているだろうか(関連記事)。実は、この話には続きがある。
マーちゃんは“年寄りが勝てるゲーム”を作るべく、「おひなさまゲーム」を開発中。ひな壇に男びなや女びな、三人官女、五人囃子などを“正しく”並べていくゲームで、3月3日の公開を目指している。
ところでこのおひなさまの絵、どうやって書かれているかお気付きだろうか。実は「Microsoft Word」でできているのだ。聞けば、「お友だちに書いてもらった」という。いったいどうやって書いたのか。そのお友だちの家を訪ねた。
迎えてくれたのは、マーちゃんとお友だちこと、峰尾節子さん。2004年にWordでお絵かき(シェイプアート)を始めて以来、シニアパソコン教室のボランティアをしたり、Wordアートの講師を務めるなど、シェイプアートの普及活動を続けている。
それにしても、本当にあの文書作成ソフトウェア「Word」で書かれているのか。作り方を尋ねると、分解してみせてくれた。
確かに全てWord内の「図形」で書かれている。女びなの眉は「月」を細め、黒目は楕円、目の形は「曲線」を用いて描かれ、鼻は「二等辺三角形」を書いた後「頂点の編集」で底辺をくぼませている。唇は「月」を3つつなげて作成。袴は「論理積ゲート」を2つ組み合わせ、立体感が出るようそれぞれにグラデーションをかける。
1番の謎だった着物の柄は、折り紙の絵柄をスキャンして取り込んで作られていた。「図形の塗りつぶし→テクスチャ→その他のテクスチャ→図」から「図の選択」で折り紙の画像を選び挿入すると、その柄が着物の柄として入る。そこへ透明度を調整した図形を重ねると、このような絵ができるという。
扇などに使われている「線」は、単純に「直線」で書いているのではなく「長方形」を補足したもの。「直線」で描いてしまうとサイズを変更しようとしたときに線の太さがそのまま残ってしまうため、あえて「図」を選ぶそうだ。
各パーツができあがったら、崩れないようパーツごとにこまめにグループ化。こうしておひなさまは作られた。改めて、何度見てもすごい。
「せっかくなら作っていったら?」と、筆者もだるまびなを作ることに。峰尾さんに習い、1時間ほどで完成した。
「描く前に、ネットなどでいろんな絵をみます。それぞれのものがどんな形をしているのか、どんな要素から成り立っているのかを見て、図形を組み合わせます。例えば、人を描くのでも、三人官女は女びなより歳をとった感じに、五人囃子は若く、とか」(峰尾さん)――その表現力に驚く。
(太田智美)
筆者プロフィール
小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。
大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
太田智美がなんかやる
ITmedia ニュースに配属された太田智美が、テクノロジーの力を信じてなんかやるという新連載。毎日るんるんしながら生きている。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR