はじめてのAI
AIってなぁに?
「AI」ってなんだろ?
最近、ニュースリリースにやたらと「AI(人工知能)搭載」という文字が増えました。でも担当者に会って話を聞いてみると、これまでのサービスやアプリと変わらない……。
とりあえずバズワードになっていて、なんかすごそうに見えるけど実はよく分からない「AI」。そんなAIについて、まじめに学んでみることにしました。
先生は、実際に手を動かして日々AIと向き合っている、日本マイクロソフトテクニカルエバンジェリスト大田昌幸(おおたまさゆき)先生。この連載では、基礎的な知識から自分でAI技術を活用できるまで勉強していきます。
大田昌幸(おおたまさゆき)先生
スタートアップでのWeb開発経験を経て、2011年に日本マイクロソフトに入社。現在はソリューション開発企業向けのテクニカル エバンジェリストとして活動。東京工業大学や慶應義塾大学にて非常勤講師の経験も持つ。AzureなどのMicrosoft製品に加えて、社外の技術も加えた新規ソリューション開発を企業とともに企画・実現する活動に取り組んでいる。
「強いAI」と「弱いAI」
AI(人工知能)は、「Artificial Intelligence」の略。「Artificial」(人工的な)と「Intelligence」(知能)が組み合わさって出来たことばです。
なんとなくすごそう! でも、実際のところよく分からない……。しかも、おっきな会社ほど「AI」ってことばを公式で使っていないことが多いんです。例えば、グーグルは必ず「機械学習」と呼びます。IBMは「コグニティブ・テクノロジー」と呼んでいます。マイクロソフトは「Cognitive Services」。結局AIってなんなんだろう? まさゆき先生に聞いてみました。
AIを説明するために、「強いAI」「弱いAI」ということばを使います。「大人のAI」「子供のAI」と呼ぶ人もいますね。「強いAI」は、かんたんにいうと「ドラえもん」みたいな意思を持っているAIを指します。一方、「弱いAI」は認識技術のことを指します。認識技術とは、例えば写真を見て、「この画像には海が映っている」と認識できる技術のことをいいます。今、街にドラえもんは歩いていませんよね? でも、ドラえもんの目や耳の機能は使える。そんな状態だと思ってもらえるといいと思います。今活用できるのは、この「弱いAI」のほうなんです。
(まさゆき先生)
「弱いAI」は、すごい「パラメーターチューニング」
AIブームは、これまで何度かありました。最初は1950年代後半~1960年ごろ。コンピュータで特定問題の推論や探索をしていたそうです。次に訪れたのは1980年代。エキスパートシステムという知識ベースの技術が用いられたようです。
そして第3次AIブームが2010年代から。多くのデータ、豊富な計算リソースを使って機械学習や、その中の一手法であるディープラーニングを使った技術革新に注目が集まるようになってきました。これまでも画像認識などのテクノロジーはあったのですが、ディープラーニングを用いることで認識精度が非常に高まってきています。
機械学習やディープラーニングって大雑把に言うと、「すごいパラメーターチューニング」だなぁと思っています。多くのサンプルを使って学習して、フィードバックして……を繰り返し、一番「それらしき」回答に近づけていきます。僕もまだまだ勉強中ですが、この連載を通して共に学んでいければと思います。
(まさゆき先生)
まとめ
ニュースリリースや製品紹介などに「AI搭載」などと書かれていてよく分からないのは、どの部分にAIが使われているかということの記載がなく、漠然と「AI」というワードが入っているからです。そのほうが「よくわからないけどすごい!」となりがちですが、誤解を防ぎAIときちんと向き合うためには、「どの部分に機械学習が使われているのか」を明記することがだいじ。他の技術と同じように、どの部分でどんなAIが使われているかをはっきり記すことで、みんながハッピーになれる気がしました。
【次回予告】「弱いAI」の種類、API一覧
(太田智美)
筆者プロフィール
小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。
大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。
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