スマホでもテスラヘッドフォンをガンガン鳴らせる! ベイヤーのポケットDAC「Impacto Essential」
ティアックが取り扱うドイツのオーディオブランド、beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)からスマホなどモバイル端末、およびPCにUSB経由でつなげるポータブルタイプのハイレゾDAC「Impacto Essential」(インパクト エッセンシャル)が登場する。欧州での発売は6月の予定で、価格は329ユーロ(4万円弱)を見込む。「春のヘッドフォン祭2017」で行われた発表会では、日本での発売時期や価格については現在検討中とのことで明らかにされなかった。
Impacto Essentialは、ベイヤー独自の“テスラテクノロジー”を搭載するハイエンドヘッドフォンと組み合わせて楽しむポータブルDACだ。対応するヘッドフォンは「T1 2nd Generation」「T5 2nd Generation」「AMIRON HOME」の3モデル。DACアンプ本体とヘッドフォン側をつなぐケーブルが固定式で、端子の形状が独自のロック付き3.5mm両出しタイプであるため、現状この3モデル専用をうたっている。ベイヤーダイナミックでは「スマホでもT1 2ndをガンガン鳴らせるようになるアンプ」を魅力としてアピールする。
ベイヤーダイナミックはコンシューマー&プロフェッショナル向けのヘッドフォンを専門に開発する、アナログのオーディオ技術に強い老舗ブランドというイメージが強い。ではなぜ、同社はデジタルオーディオのための製品を開発したのだろうか?
来日した同社ヘッドフォンビジネスユニットのシニアプロダクトマネージャー、ギュンター・バイデマン博士は、「音楽リスニングのメインツールにモバイルデバイスも含まれるようになり、音楽を聞く環境が従来の据え置きコンポーネントからPCも含めて多様化している。ベイヤーダイナミックのヘッドフォンをあらゆる環境で、最高のコンディションで楽しんでもらうためにImpactoシリーズを立ち上げた」と説明している。
再生機器は、Windows PCとMac、モバイル端末はAndroidをサポートしている。USB Audio 2.0による信号伝送がメインとなり、ソース側のケーブルを本体から着脱・交換することによって、USB Type-A端子(1.4m)、micro USB(0.8m)、USB Type-C(0.8m)の3種から接続方法が選べる。DACアンプ部への電源はUSB接続したデバイスから供給する。
なお、Lightning端子のケーブルは同梱(どうこん)されていない。iPhoneなどiOSデバイスに対応する製品については「Impactシリーズの別モデルとして、同じパフォーマンスと使い勝手を実現する製品を開発している」とバイデマン氏は明らかにした。
本体にはESSテクノロジー、「SABRE」シリーズのDAC「ES9018Q2C」を搭載している。ハイレゾ再生はリニアPCMが最大384kHz/32bitまで、DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生ができるようになる見込み。再生周波数帯域は4~5万6000Hz。出力値は50mW/32Ω時、7mW/600Ω時。ソース機器の側がUSBホスト機能、またはUSB OTGに対応していればUSBケーブルでダイレクトに接続して音楽を再生できる。本体には楽曲の再生、一時停止、スキップと音量調整を操作できるリモコン機能も搭載した。
バイデマン氏が語るところの「Android版とiOS版のImpactシリーズが同じ仕様になる」という意味については、iPhoneとLightningケーブルで直結して、オンキヨー「HF Player」などハイレゾ対応プレーヤーアプリで再生するハイレゾ音源がDACチップの性能を限界まで発揮しながら楽しめるようになるということらしい。またリモコンの操作も同様にできるようになるようだが、単純にLightning接続だけでSiriのコントロールにも対応するのかは不明。同日展示されたImpacto Essentialは本体の背面に役割不明のコネクターを搭載していたので、接続方法が少し変わるのかもしれない。いずれにせよ、バイデマン氏は「iOS版もMFiに対応する予定。操作性と音質の両面で、最近注目されているLightning直結タイプのイヤフォンやヘッドフォンよりも優位に立てる製品」と語っている。
発表会では、ベイヤーダイナミックの「T5 2nd」にオンキヨーのハイレゾスマホ“GRANBEAT”(グランビート)を接続して、短い時間だが試聴することもできた。T5 2ndの実力をフルに引き出すDACアンプだ。ディティールが鮮明に浮き彫りになって、低域のインパクトが鋭く深く沈み込む。聴感上のバランスも整っていて、DACアンプに由来する色づけは感じさせなかった。グランビートは元もとパワーのある“普通じゃない”スマホだが、一般的なAndroidスマホやタブレットに組み合わせてテスラヘッドフォンを鳴らしまくることができれば喜びもひとしおだろう。
ソニー“Xperia”シリーズの最新モデルなどUSB Type-Cを採用するスマホも増えているので、同コネクターによる接続に対応するImpact Essentialはスマホでのアウトドアリスニングに重宝するデバイスになりそうだ。日本発売まで少し時間がかかりそうだが、旬な頃合いに上陸してくれることを期待しよう。
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