テレビCMで視聴者の心はどう動く? VRや脳波センサーで分析
「テレビCMを視聴する人の心がどう動いているか」――テレビCM制作会社のAOI Pro、コンサルティング会社のアルティテュードは7月26日、VR(仮想現実)技術を活用し、CM映像が視聴者に与える心理効果を検証するサービス「VR ON AIR TEST」(VR OAT)を発表した。VR空間でユーザーに映像を見せ、視線の動きや脳波などのデータを収集・分析。「どのシーンで集中度が高まるか」「視聴者の視線が集まった部分はどこか」などを把握できるという。同日から映像を検証してほしい企業を募る。
被験者は、視線の動きを追跡できるVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)「FOVE」を装着し、VR空間で前方に表示されるテレビCM(非VR映像)を見る。視聴中は頭部に脳波計、左手に心電・心拍計(いずれもニューロスカイ製)、右手には圧力・体温センサーが付いたコントローラー(ブライセン製)を取り付け、データを収集する。「VR空間での没入状態では、脳波などのデータを取得するとき、周囲の環境からのノイズを受けにくい」(AOI Pro)という。
個々のデータは、AOI Proのクラウドシステム上に蓄積し、性別・年齢別などに分けて分析。タブレット向けの専用アプリ(BlueMeme製)で、「男性の集中度が●●秒のシーンまでは徐々に高まっている」「女性の視線が集まったのは画面の右半分だった」――などの分析結果を確認できる。
一方で、「あるシーンで集中度が下がった要因」などの分析は難しいという。同社は今後より多くの被験者のデータを集め、大阪大学と協力しながらAI(人工知能)技術を活用した分析手法も取り入れて開発を進める。
VR OATは、VR技術や生体データをビジネスに活用するプロジェクト「VR Insight」の第1弾。今回はAOI Proに知見があるCM映像にターゲットを絞ったサービスだが、将来はヘルスケアなどの分野でも同様の技術を展開するとしている。
AOI Proの中江康人社長はコンテンツの制作、データの可視化・分析などを組み合わせたソリューション提供型のビジネスを目指していると話す。
「センサーで得た生体データを分析し“生の人間”そのものを理解することで、マーケティング活動や商品開発などに活用して、ビジネス領域を広げたい」(中江社長)
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