「2月の寒い日は白菜が売れる」 気象データで需要予測、日本気象協会が本腰
日本気象協会は8月21日、2017年4月から主に食品販売向けに提供していた「気象予測を利用した商品需要予測サービス」の対象を、医療品や化粧品、日用雑貨などにも拡大すると発表した。「2月の寒い日には白菜や鍋つゆが売れる」「雨の日は客足が遠のくから来週は廃棄が増えるかもしれない」といった、気象に左右される商品の需要予測データを企業に提供。生産・販売の計画、店舗のオペレーションなどに役立ててもらう考え。
気温や天候などのデータと商品の売上高を比較し、関係性が高いものを分析。ある商品がどんな気象の時にどれだけ売れたかという過去データから「需要の予測式」を導き出すという。この予測式に「次の1週間」「この先1カ月」などの気象予測を適用し、その期間の商品需要を予測する仕組みだ。
日ごとの需要予測であれば14日先まで、1週間ごとの需要予測であれば最大3カ月先まで提供予定。予測データの提供だけでなく「どの商品の売り上げが課題か」「どの商品の需要予測をすべきか」といったコンサルティングも行う。提供価格は応相談。
商品の販売データは、マーケティング企業のインテージ(東京都千代田区)が保有する「全国小売店パネル調査データ」(SRIデータ)を用いる。
保有する気象データを小売りに役立てたい――もともと同事業は、そんな考えから日本気象協会が経済産業省に提案。2014~16年度に経済産業省補助事業「需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト」として実施したものを、17年度から正式に事業化した。
日本気象協会の本間基寛専任主任技師(防災ソリューション事業部)は「その時その場の天気が消費者行動に影響し、行動によって商品の需要も変わる」と話す。
「雨や風、雪の日などは外に出たくないという気持ちが働き、来店客数の減少につながる。急な気温の変化で、買いたい商品が変わることもある。気象が分かれば客数や商品の売れ行きを予測でき、適切な人員配置や廃棄ロスなどにつながる」
今後はさらに予測の精度を高め、時間帯ごとに、スーパーマーケットやコンビニの店舗などに予測サービスを提供するのを目指す。同事業部の吉開朋弘技師によれば、SNSデータやAI(人工知能)の活用も視野に入れているという。
「現時点では、過去のSNSデータの『暑い』『寒い』といったつぶやきと気温データの関連付けを行っている。同じ30度でも蒸し暑いのと日差しが強いのとでは、どちらがより『暑い』と感じるかなど、『暑い』『寒い』を定量化し需要予測に生かしたい」
「気温だけで説明ができるならそれがいいが、そうでない要素も絡んでくる」と吉開技師。AIを活用し、一見すると関係がないものから関係性を見つけ出すことを期待しているという。
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