“日本が知らない”海外のIT
「定額制サービス」普及のカギは? 米国で広まるデータ・AI活用(1/2 ページ)
お菓子やコーヒーから、化粧品、DIY用品まで、米国にはさまざまな商品の「サブスクリプション(定額制)ボックス」が存在する。
サブスクリプションボックスとは、あるテーマに沿った商品が詰まった箱のことを指し、その箱がユーザーのもとへ定期的に送られてくる。中身があらかじめ決まっているもの(例:Dollar Shave Clubのカミソリ)もあれば、テーマだけが決まっていて何が入っているかは毎回のお楽しみ(例:Birchboxの化粧品)というものもある。
連載:“日本が知らない”海外のIT
日本にまだ上陸していない、IT関連サービス・製品を紹介する連載。国外を拠点に活動するライター陣が、日本にいるだけでは気付かない海外のIT事情をお届けする。
梱包材の製造販売を行っているShorr Packagingが行った調査では、2016年の時点で米国には2000種類以上のサブスクリプションボックスが存在し、サブスクリプションボックス企業のWebサイトのビジター数は、13年の72.2万人から16年には2140万人へ30倍近く増加したとされている。
例えば、ファッション系サブスクリプションボックスを販売しているStitch Fixは、16年度の売上が10億ドル近くにまで達したと言われており、設立から6年がたった現在、IPO(株式公開)の準備を進めている。
そしてこのほど、スポーツウェア大手のUnder Armourもこの波に乗り、同社初のサブスクリプションサービス「Armour Box」をローンチした。
基本無料 「Armour Box」の戦略
Armour Boxのサービス内容は、ユーザーのプロフィール(興味のあるスポーツ、スタイル上の好みなど)をもとに同社公認のスタイリストが選んだアイテム4~6点が、定期的にユーザーのもとに送られてくるというもの。
基本利用料は無料で、ボックスを受け取る頻度は1カ月、2カ月、3カ月の3種類から選べる。ユーザーは商品が届いてから1週間以内に購入したいものだけを選んで、それ以外を返送し、選んだ商品分の料金だけが後ほどチャージされるという仕組みだ。
全商品を購入する場合は20%の特別割引が適用されるほか、1度購入すると決めた商品であっても、一定期間内であればサイズ違いや色違いのものと交換できるようになっているなど、アフターケアも手厚い。
同サービスの目玉は、AI(人工知能)を活用した商品のパーソナライゼーションだ。先述の通り、サービス利用開始時点ではユーザーがあらかじめ入力したプロフィールをもとに、「Official Outfitter」と呼ばれる「人間」のスタイリストが商品を選ぶ。
しかし時間がたつにつれ、購入・返却商品の情報が蓄積していくため、スタイリストが商品を選ぶ前に、AIがユーザーの好みに合った商品候補を提案できるようになるのだ。
さらに複数のアプリや商品からなる「Connected Fitness」シリーズのユーザーであれば、運動の頻度や強度といった情報もUnder Armourのデータベースに記録されるため、エクササイズの状況やトレーニングの内容に応じてArmour Boxの商品が変わってくる。
例えば、ランニングがテーマだとしても、毎月300キロ近く走るような市民ランナーと100キロ未満のジョガーではウェアに対するニーズが異なってくるのは想像に難くないだろう。
サブスクリプション界で広まる、データ・AIの活用
消費者にとって、サブスクリプションサービスの利点とは何だろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
“日本が知らない”海外のIT
日本にまだ上陸していない、IT関連サービス・製品を紹介する連載。国外を拠点に活動するライター陣が、日本にいるだけでは気付かない海外のIT事情をお届けする。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR