“日本が知らない”海外のIT
「ZOZOSUIT」を作った謎のスタートアップの正体(2/2 ページ)
プライベートブランド「ZOZO」構想に欠かせないパートナー
昨年にはLINEと共同でビーコンタグの導入を試みていたのだが、ファッションとテクノロジーの融合に取り組んできたスタートトゥデイは、これを見逃さなかったようだ。
同年6月に行われたStretchSenseのシリーズAラウンドで、スタートトゥデイは単独投資(金額非開示)を行い、現在では同社の株式の39.9%を保有している。しかしZOZOSUITの発表までは、投資家向け資料にもStretchSenseの株式を取得した目的については明記されていなかったため、いつ頃からスタートトゥデイが同社に興味を持ち出したかは分かっていない。
ただ、16年3月期の決算発表でプライベートブランド構想が明らかになり、17年には前澤友作社長がTwitter上で、プライベートブランドは「世界初の試みになると思います。ICT、IoTをフル活用します。企画開始から6~7年かかってます。老若男女、広くお楽しみいただけます」と語っていたため、StretchSenseの設立直後から同社の技術に注目していた可能性が高い。
またZOZOSUITの発表と同時に、スタートトゥデイはStretchSenseとコールオプション契約を締結したと発表(コールオプションとは、将来に現在価格で株を買う権利のことを指す)。同社のプレスリリースには、「StretchSenseは当社のプライベートブランド事業のために必要不可欠な開発技術を有しており(中略)当社の裁量で子会社化の意思決定が可能な権利を一定期間に渡り確保しておきたいという背景から、本契約を締結するに至りました」と記載されている。
単に採寸用のボディースーツを販売するだけであれば、Heddokoのように開発パートナーとしてStretchSenseとタッグを組めばいいはずだが、100%子会社化まで視野に入れているとなると、スタートトゥデイはすでにZOZOSUITの先を見据えているのかもしれない。StretchSenseは、アジア・日本地域での事業拡大を視野に入れている。
当然これには、競合企業が同じようなサービスを提供できないようにするけん制の意味が含まれているのかもしれない。しかし、今後は単なるファッションを超え、ZOZOSUIT経由で収集したデータとStretchSenseの技術を融合させ、スポーツや医療の世界に進出していく可能性もある。まだ臆測の域を出ないが、今後も両社の動向からは目が離せない。
執筆:行武温
編集:岡徳之(Livit)
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日本にまだ上陸していない、IT関連サービス・製品を紹介する連載。国外を拠点に活動するライター陣が、日本にいるだけでは気付かない海外のIT事情をお届けする。
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