「すごすぎる」「発想の勝利」 カエルの合唱の“法則性”、通信の効率化に応用 研究者に聞く(1/2 ページ)
「面白いアイデアだ」「発想の勝利ではないか」――筑波大学と大阪大学がこのほど発表した、カエルの合唱の“ある法則性”を活用する研究結果が、ネット上で注目を集めている。ニホンアマガエルの合唱は、個々では鳴くタイミングをずらし、全体では一斉に休む時間がある。この法則性をIoT機器のネットワークに応用すれば、近くの端末同士のパケット衝突を回避できる一方、省エネにもつながるという。
カエルの合唱とIoT機器のネットワークという、一見すると関係がないように思える事柄を結び付けた研究結果に、ネット上では「すごすぎる」「まさかの応用」などと驚きの声が上がっている。研究の経緯を、筑波大学の合原一究助教(システム情報系)に聞いた。
カエルの合唱に“隠された法則性”
ニホンアマガエルの実験で、研究チームが確認した法則性はこうだ。短時間では「オス同士が鳴くタイミングをずらしている」が、長時間では「鳴いている区間(時間帯)をそろえる」つまり「一斉に休んでいる」というものだ。研究チームは、この鳴いたり休んだりという法則性を数式で表現し、実験結果と比べることにした。
まず、個々のカエルは鳴くたびにエネルギーを失い、疲労度が増すという仮説を立てた。その上でエネルギーと疲労度、周囲で鳴いているオスの有無によって、周期的に鳴き声を出す状態(発声状態)と鳴かずにエネルギーの消費を抑える状態(休止状態)を確率的に切り替える数理モデルを作成し、シミュレーションしたところ、実際のカエルの合唱を再現できた。
さらに、この数理モデルを無線センサーネットワークに応用した。
無線センサーネットワークとは、センサーを搭載した無線端末をたくさん並べたもの。近くの端末同士が通信し、バケツリレーのようにデータを送っていくことで情報を集めるというもので、例えば農場の広範囲の状態を監視する――といった用途が見込まれている。
ただ、個々の端末が電池で駆動している場合、通信できる回数には限りがある。そのため、近くの端末同士が同時にデータ(パケット)を送り合い、受け渡しに失敗する問題(パケット衝突)を回避したり、適当なタイミングで休止状態に入ったりして、消費電力を抑える必要がある。
この制御の部分に、カエルの合唱の法則性を応用したのだ。
驚きの発想が生まれた背景
研究結果の発表を受け、ネット上では「カエルの合唱の研究が、無線センサーネットワークの制御に役立つことを思い付いたきっかけは何だったのだろうか」という声も上がっている。
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