Adobe、ベネズエラの全アカウントを無効に 米政府の制裁に従い
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「アドビ、ベネズエラの全アカウントを無効にすると発表。米政府による対ベネズエラ制裁に従い」(2019年10月9日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Adobe Systemsは、企業や個人に関わりなくベネズエラの全Adobeアカウントが10月28日以降は無効になることを明らかにしました。
これはベネズエラに対する資産凍結などを含む経済制裁を命じた大統領令に従うための措置として行われます。
これによりAdobeアカウントにひも付いた有償および無償のソフトウェアサービスがベネズエラで利用できなくなる見通しです。返金などの措置は行われません。
米国大統領令による対ベネズエラ経済制裁
ベネズエラは南米の産油国。2018年5月に行われた大統領選挙の結果、前マドゥロ大統領は勝利を宣言して再選を果たしたと主張する一方、野党指導者のグアイド国会議長は不正選挙が行われたとして大統領不在を主張、憲法の規定により自身が暫定大統領であるとしています。
ロシアや中国はマドゥロ氏を支持。米国はマドゥロ氏の再選を認めずグアイド暫定大統領を承認し、選挙のやり直しを求めてベネズエラ政府に圧力をかけています。
この圧力の1つとして、米国はベネズエラ政府などが米国内に所持する資産凍結を含む大統領令を8月5日付で発行しました。
Adobeはこの大統領令に従う形で、ベネズエラの全アカウントに対する無効化を発表したわけです。
こうしたことが対岸の火事でありつづける保証はない
米国の経済制裁によってITサービスが利用できなくなる例は今回が初めてではありません。
今年の7月には米国による対イラン経済制裁により、GitHubはイランからの利用を突然制限しました(ただしパブリックなリポジトリは利用可能)。
いま、こうしたことが日本ですぐに起こるようには思えませんが、米国は中国Huaweiの機器に関する利用禁止措置を同盟国にも求めてきたという例があり、これからもこうしたことが日本のIT企業にとって対岸の火事であり続ける保証はありません。
あるいは、米国およびその同盟国とは異なる立場の国に属する企業から提供されるサービスが、政治的な都合により米国やその同盟国に対して制限される、という可能性もゼロではないように思われてきます。
集中管理によって安価かつ便利に提供できるクラウドサービスの特徴は、一方で簡単に利用を制限できるがゆえに提供側の都合に左右されやすく、それに対して利用者はなすすべもない、という側面が徐々にクローズアップされてきています。
これはクラウドやソフトウェアデリバリーの将来に、どのような影響を与えていくのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
4
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
8
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR