Innovative Tech
「レイトレ」応用、動く物体にぴったり貼り付くプロジェクションマッピング 東工大開発
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
東京工業大学 渡辺研究室の研究チームが開発した「Realistic Dynamic Projection Mapping Using Real-Time Ray Tracing」は、リアルタイムレイトレーシングを用い、動く物体にぴったり追従してリアルな画像を投影し続けるプロジェクションマッピングだ。
近年、プロジェクションマッピング技術が進化している。特に、動く物体を追従し、ぴったり張り付いているかのように投影するダイナミックプロジェクションマッピングが目立つ。硬い物体はもちろん、Tシャツや紙のような柔らかい素材でも追跡し、映像を違和感なく投影することが可能だ。
東工大の研究チーム次の課題は、臨場感を高めることだとする。そのためには現実に近いリアルな画像の投影が必要となる。そこで研究チームは今回、光線の反射を再現してリアルなCGを生み出す手法として知られるレイトレーシングの改良型である「パストレーシング」をダイナミックプロジェクションマッピングと統合した。
パストレーシングの手法は、多くの光のサンプルと、レンダリングされた画像の各ピクセルに対するトレース結果を統合して計算するためかなりの時間を要し、GPUを使用してもノイズが多くなってしまう。
この課題については、ノイズの多い中間画像を高フレームレートで投影することで解決する。光の点滅を認識できないほどの速さで高速投影すると連続光に見える、一種の残像効果を利用したものだ。
システムは、高速プロジェクタ、カメラ、コンピュータで構成。実験では、500fpsのカメラでウサギの人形を追跡し、パストレーシング画像を947fps、1ピクセルあたり2サンプリング(spp)でレンダリングした。この画像を高速プロジェクタによる947fpsで投影することで、ノイズを低減させた画像に仕上がる。その結果、運動している物体に対して既存技術をしのぐ低遅延描画と臨場感を実現しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR