Innovative Tech
スピーチに応じた“ろくろ回しポーズ”を自動生成、映像に反映 中国などの研究チームが技術開発
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
中国科学技術大学とJD AI Researchの研究チームが開発した「Freeform Body Motion Generation from Speech」は、発話に応じた上半身の動作を自動で生成するモデルだ。単調な動きだけを繰り返すのではなく、韻律(抑揚、音調、強勢、音長など)を考慮した自然な動作を生成する。
プロの話し手は、発話と同時にボディーモーションを行い情報を効果的に伝える。発話に合わせた口唇運動の生成は広く研究されているが、発話から身体の動きを生成する研究はまだ未発展のままだ。口唇運動は発話と連動させるのが容易なのに対し、発話からボディーモーションへの変換は非常に不確定要素が多い面を持つ。
実際、発話中の身体運動は同一人物が2回続けて同じ発話をしたとしても、その発話者が同じ体動を示す保証はない。長時間のスピーチでは、ポーズの雰囲気も変わってくるだろう。同じスピーチ音声でもモーションの形態が固定されるとは限らず、異なるスピーチでも同じモーションシーケンスと相性が良い場合もある。
あらかじめ定義されたジェスチャーセットを適応する方法もあるが、特定の話者/スタイルの動作をある程度模倣できても、動作の多様性や忠実性の点で限界があり、特に長時間のスピーチではその傾向が顕著である。
研究では、単調な動作の繰り返しではなく、発話中の韻律を加味した動作を生成する。話し手が特定のトピックを中心に長いスピーチを話すトークビデオにおける動作に焦点を当てる。
音声合成によるボディーモーション生成は、入力音声に対応する動作シーケンスを生成することである。そのためには、音声から身体運動への対応付けが必要である。研究チームは身体運動をPose modeとPhythmic motionの2つのモジュールに分解し、この問題にアプローチする。
前者のモジュールは主要な動きである習慣化した動作を作るために学習される。後者のモジュールは発話中の韻律によって駆動される動きであり、時間的に整合した発話の顕著性の知覚や韻律感覚に寄与している。この2つのモジュールを統合し上半身の2Dポーズで出力する。
今回提案するモデルは音声に同期したもっともらしい自由形式のモーションを生成し、実験においても、多様性と品質、同期性の面で他のベースラインを明確に上回る結果を達成した。
Source and Image Credits: Xu, Jing, et al. “Freeform Body Motion Generation from Speech.” arXiv preprint arXiv:2203.02291 (2022).
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR