打ち上げ中止「H3」会見で共同記者の質問に批判相次ぐ ロケットを救った「フェールセーフ」とは(2/2 ページ)
「フェールセーフ」という考え方
機械には、いざという時のために「フェールセーフ」という概念がある。装置が故障した場合を想定し、安全に動作を止めることで周辺の被害を最小限に抑える設計手法だ。今回の場合は、異常は発生したものの、それを検知してシステムが正常に停止した。異常時でもロケットをコントローラブルな状態で維持できたのは、補助ブースターに着火信号を送らないという機構が正常に働いたためだ。
岡田氏も「ロケットがスタートして打ち上げるときは常に安全な状態を確保することが第一優先。そういう意味では安全に止まったということ。非安全な状態で止まったわけではない。異常を検知して安全に止まるシーケンスが正常に働いて安全に停止している状況。直前にLE-9エンジンも正常に立ち上がっているし、異常の検知も正常に行われていると理解している」と述べ、異常状態が制御下にあったと説明している。
「成功か失敗か」だけでいえば、正常な打ち上げ自体には失敗し、異常を検知して打ち上げ前に止めるシステムの稼働は成功したといえそうだ。部分を見れば成功も失敗もあるわけで、全体をまとめるのならばJAXAの言う通り「中止」が近いように感じる。いずれにせよ、最も大事なのは、機体や搭載していた衛星が損傷することなく、次に打ち上げられる機体が安全な状態で残っていることだ。岡田氏は「ものすごく悔しい」と会見で涙する場面もあったが、原因究明に努めつつ次の打ち上げに向けて挑むとしている。
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