東京スカイツリーの閉じ込め事故、原因を発表 26日から営業再開へ 「3つの要因が重なった極めて稀な状況」
東武タワースカイツリーは2月25日、22日に東京スカイツリーで発生したエレベーターの閉じ込め事故について原因の調査結果を発表した。停止した2基のエレベーターはいずれも、機械室にある制御盤内のヒューズが溶断(熱で溶けて切断された状態)しており、これが事故の原因だと断定。再発防止策などを発表した。
事故が起きたのは22日午後8時15分ごろ。東京スカイツリー4階入口フロアから東京スカイツリーの天望デッキを結ぶエレベーター(秋・冬の2基)が運行途中で停止し、冬のエレベーターの中に乗客20人が閉じ込められた。乗客が救出されたのは23日午前2時2分ごろで、同日以降、事故原因の究明のため東京スカイツリーは臨時休業としていた。
事故発生時、冬のエレベーターは出口フロアへ下降していたところ、地上約30m付近に停止した。その後、隣の秋のエレベーターでも故障警報が発報され、防災センターが事故を認知。エレベーター内は照明や空調は稼働していたが、備え付けのインターフォンから乗客への呼びかけはできない状態だったという。秋のエレベーターは故障警報後、乗客を降ろしたのちに停止した。
秋と冬のエレベーターは、それぞれ独立した制御盤を有していたが、なぜ2基連続でエレベーターは停止したのか。これは、秋・冬のエレベーターが非常時に相互に横付けして救出する際の「緊急用ドアスイッチ信号」の配線を両制御盤で共通配線として持っていたためだ。冬のエレベーターの移動ケーブルが巻き込まれたことで、この配線も損傷してしまい、秋のエレベーターの制御盤内のヒューズも溶断し、こちらも停止してしまった。
冬のエレベーターに閉じ込められた乗客を救出するため、定められた救出手順を試みたが、冬のエレベーターを動かして救出することはできなかった。その後もさまざまな方法を検討したところ、秋のエレベーターを動かせる見込みがたったため、冬のエレベーターに横付け。側面の緊急用ドアを開けて救出用の金属板を両エレベーターの間に渡して、乗客を秋のエレベーターへと移して救助した。
事故原因である制御盤内のヒューズが溶断した理由は、エレベーター本体と制御盤をつなぐ「移動ケーブル」の被覆がはがれ、内部配線が損傷し、地絡(電気が経路から外れて、大地へ漏れてしまう故障)したためだった。移動ケーブルの損傷は、エレベーターの揺れを抑える装置「ロープ振動絶縁装置」の回転部に巻き込まれたことで発生した。
移動ケーブルが回転部に巻き込まれた要因は、3つの要素が重なったことで生じたとみている。(1)当該エレベーターの移動ケーブル自体がねじれていたこと、(2)風による東京スカイツリー塔体の揺れで生じるエレベーターの移動ケーブルの揺れ、(3)エレベーター本体下のロープ振動絶縁装置のローラーガイド部に保護カバーがなかったこと、の3つだ。
2012年5月の開業以降、事故発生日以上の強風でも、同様の状況は発生していなかった。移動ケーブルは25年12月に交換しており、これによる移動ケーブルのねじれの角度や風向き、エレベーターの通過位置などの組み合わせによって「極めてまれな状況で移動ケーブルがローラーガイドに巻き込まれたため、事故が発生した」(東武タワースカイツリー)とまとめている。
再発防止策は、(1)~(3)についてそれぞれ検討。ロープ振動絶縁装置と移動ケーブルの接触を防止するカバーを追加で設置した他、ねじれがないかの確認やエレベーター運転時の挙動などを再点検したところ、いずれも異常は確認できなかったという。
この他にも、天望デッキを結ぶ全ての点検を実施し、異常がないことを確認。春・夏・秋のエレベーター3基への対策と点検結果を踏まえ、全ての展望台エレベーターの安全確認できたことから、26日から東京スカイツリー展望台の営業再開する。なお冬のエレベーターについては、移動ケーブルの交換など、引き続き点検を実施していく。
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